06：近すぎて見えてないことほど大事なものだった。 ページ8
side爆豪
いつもの習慣でAの家の前まで来てしまった。
きっと泣いてんだろうな。今日も目腫らしてくるんだろうな。ここ２日間ずっとあいつの事を考えてた。どうするのが幸せなのか、何が最善なのか、
この問題は俺にとったら雄英の入試より難しかった。どんな問題でも答えはあって正解不正解がある。だけどこの問題に正解不正解があるなんて分かんねぇし何が正しかったのかなんてずっと分かんないだろう。
だから俺は逃げることしかできない。何かのせいにしなきゃ生きてけない。どうしようもないやつだ。チャイムを押すか悩んでいたら2日前のあいつの顔を思い出しひとり学校にむかうことにする。
楽しくねぇ。俺の世界からは色が消えちまったみたいに思えて仕方なかった。あいつの存在が俺にとってここまで大きいものだったなんて近すぎて気付いてなかった。
そんな事を考えているとデクが同じ電車に乗っていることに気がついた。少し離れている場所にいるからかデクはこちらに気付いていないようだった。それどころかデクは何か考え事をしているのかいつものようにブツブツと何かを呟いていた。そして決心したように歩き出す。
どうやら一つ向こうの車両に行くようだ。俺のところからデクが見えなくなり何となく気になって見えるところまで移動する。
「なっ…」
デクが向かった先にはAがいた。デクがAを抱きしめる。Aの表情はみえないが嫌がっている様子はなかった。心臓が鷲掴みされたようだった。痛い。痛い。
(こんなにお前のこと思ってた俺が馬鹿みたいじゃねぇか…。)
自分で手放したはずなのに、なんでこんなにも苦しいのだろう。
Aとデクに背を向け歩き出す。ただ遠くに行きたかった。俺以外に触れられてるAをみてるなんてできなかった。
07：誰かの幸せは誰かの不幸なのかもしれない。→←05：自分の幸せより他人の幸せを祈れる人に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛星(プロフ) - 狐田尾李真さん» ありがとうございます！そう言ってもらえると凄くうれしいです！これからも頑張ります！ (2017年8月3日 22時) (
レス) id: fc2c7b6864 (このIDを非表示/違反報告)
狐田尾李真(プロフ) - 読後感がすごくいいです！これからもがんばってください!応援してます! (2017年8月3日 22時) (レス) id: dde1a6a94a (このIDを非表示/違反報告)
凛星 - 撫子さん» 感想ありがとうございます。調べてみたら同じ題名の漫画があるようですね汗決してパクリではありません。更新頑張ります！ (2017年7月31日 20時) (レス) id: 2fdff11cb1 (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 知っている題名だなって思って読んで見たら凄く面白かったです！頑張ってください！ (2017年7月31日 13時) (レス) id: 60acc756ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凛星 | 作成日時：2017年7月30日 1時
