・ ページ15
・
なにか、なにかがおかしい。
なにか、忘れている気がする。
乙女は頭を抑えた。
その“なにか”を思い出そうとすると、頭がズキズキと痛む。
それを堪えて“なにか”を探ろうとすると、答えが見えそうになる直前で、モヤがかかったように考えが霧散してしまう。
やがて何を思い出そうとしたのかさえ忘れてしまい、どうしようもないモヤモヤが残る。
そんな事を3回繰り返した。
ふらりと、乙女がよろけて座り込む。
浴衣を脱がせた侍女が慌てて背中を支えたので衝撃はない。
「乙女様！いかがされました？」
侍女が乙女の顔を覗き込む。
虚ろな目でどこか遠くを見つめている。
暑くもないのに、額に汗を滲ませ、震える手で耳を覆っていた。
只事ではない雰囲気に、支える侍女は乙女を揺さぶり、様子を見るように伺っていたもう1人の娘と中年の侍女は慌てて駆け寄り名前を呼んだ。
乙彦「おい、騒がしいぞ」
ふと、襖の向こうからそんな声が聞こえた。
中年の侍女が藁にもすがる思いで助けを求める。
「乙彦様！乙女様のご様子が･･･！！」
乙彦「あ？」
乙彦は少し部屋に入ることを渋ったが乙女の小さな呻きを聞くと外れる程の勢いで襖を開け放った。
乙彦は中の状態を見て目を見開く。
乙女が苦悶する姿にではない。
乙女の肩に触れる侍女の手を見て、だ。
次の瞬間。
乙彦は乙女の体を支えていた侍女を蹴り飛ばした。
支えを失い傾く乙女をすかさず抱きとめて、傍らの侍女2人を睨みつける。
乙彦「出ていけ。下女如きが主人の肩抑えてんじゃねぇよ」
鋭く細められた瞳孔に捉えられた侍女達は恐れをなして慌てて頭を下げると退室していった。
乙彦「(さて、早くも洗脳が解け始めたか。流石、本家は優秀だ)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞(プロフ) - 自分の名前を設定したいです！駄目でしょうか？？ (2021年12月28日 23時) (
レス) @page1 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
お萩(プロフ) - 成る程！！承知しました！！ (2021年3月3日 10時) (レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
花璋(プロフ) - お萩さん» どういう事だろうと思って調べてみると、なるほど、NARUTOのサスケくんですか！確かに乙女と意志が似たり寄ったりしてますね(笑)コメントありがとうございます！wikiで読んだ程度ですが、サスケ君ほど重くはならない予定です！(裏切る可能性大) (2021年3月3日 7時) (レス) id: 7ebade7fdf (このIDを非表示/違反報告)
お萩(プロフ) - 心なしかサ○ケを思い出す…一 (2021年3月3日 1時) (レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花璋 | 作成日時：2021年2月26日 21時
