小樽編-壱- ページ11
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朝日が昇り始めたと同時にAは宿舎を飛び出した。案外あっさりと抜け出せたことに安堵しつつも警戒を緩めず山の方へと向かう。
この間尾形に言われていたことを思い出しながら...
「(ここから一番近いアイヌの村に向かへか...)」
暫くして村近くの山に着いた時、近くで数発銃声が鳴り響いたのをAは聞き逃さなかった。
「この銃声は第七師団の...？」
まさかもう追手が来ているとは…
焦る気持ちを抑えAは銃声がなったところへ双眼鏡を向けると、案の定そこには第七師団の部隊がいたのだった。
幸いAに気づいた様子はないが、部隊が見ている方へ視線を移すと尾形がいた。
「ひゅ〜。これは…まずいことになったな。」
さっきの焦りはどこへやらAは少しこの状況を楽しんでいるようである。
「予備の銃持ってきておいてよかった〜。」
そういってAはいつも使っている三十年式歩兵銃とはまた別の小銃であるスナイドル銃を準備する。
スナイドル銃とは戊辰戦争や日清戦争で使われた比較的古い銃であり、陸軍が三十年式を採用するまで使われ続けた銃である。
古さでいえば村田銃よりも古いが、そんな古い銃を持ってきたのには訳があった。
何せ古い銃のため使える兵士は限られており、また使用法が他の銃とは異なるため、倉庫から出されることもなかったのだが、銃射撃に特化したAはどんな武器でも使えるようにするため、訓練をしていたのだった。
それをそばで見ていた尾形はもちろん銃声を聞くだけで誰がどんな銃を使っているかなど簡単に割り出すことができる。それを狙っての予備の銃だったのだ。
、
尾形に近づく兵士に狙いを定め、ハンマーをフルコックまで上げ、引き金に指を添わせる。
ー パシュー――ン ー
一呼吸置いた後、山の中に銃声が響いた。
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ロア……のスマホ版のようだ - いいですねー、、、 (10月9日 22時) (
レス) @page14 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポポ | 作成日時：2021年9月1日 11時
