人魚の常連さん Ⅱ 【ツイステ】 (ページ8)

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49.みんなの幸せのためにページ8

さっきまでとは違う雰囲気に

私は怖くなって思わず彼の手を払った

｢あ、あの…。私、帰ります｣

そう言って私は立ち上がった

何故だか彼がすごく怖くて、すぐにでも部屋を出たかった

ｼﾞｮﾝ｢そう簡単に帰すと思う？｣

彼は逃げようとする私の腕を掴んで強く引っ張る

そして、私をソファーに押し倒し逃げられないよう手を押さえつけた

｢痛、い…｣

彼は私の腕に爪をたててくる

私は身をよじらせながら必死に痛いのを我慢した

ｼﾞｮﾝ｢やっと会えたんだ。もう絶対に離さない｣

｢いや、離して…｣

私が言うと私の手を掴む力が強くなった

ｼﾞｮﾝ｢いやだよ。手を離したら君はまたどこかに消えてしまう。あの日も僕が少し目を離した隙に君は消えてしまった。｣

そう話す彼の目は光がなく、とても怖かった

ｼﾞｮﾝ｢一目惚れだったんだ。君の姿を見たあの日から僕はずっと君のことが好きだった｣

｢…｣

ｼﾞｮﾝ｢お願い。もう僕から離れないで｣

彼はそう言うと私を優しく抱きしめた

一瞬さっきの優しい彼に戻ったような気がする

私を抱きしめる彼の姿がフロイドくんに重なって

私は思わず彼の頭を撫でた

今ならちゃんと話せばわかってくれるかもしれない

そう思って私は口を開いた

｢…ごめんなさい。私、あなたと一緒にいることはできません。まだやりたいことが沢山…！｣

｢まだやりたいことが沢山あるんです｣と言おうとした私の口を彼は手で塞いだ

ｼﾞｮﾝ｢だからさっきも言ったよね？断ったらどうなるか、まだ分からない？｣

また雰囲気が変わった彼を私はただ見つめることしか出来なかった

ｼﾞｮﾝ｢僕の会社はナイトレイブンカレッジにたくさんの支援をしている。それがなくなったらみんな困るんじゃないかな？

…あと、フロイド・リーチくんだっけ？
彼、Aにべたべたくっ付いてうざいんだよね。｣

｢…彼に何する気ですか｣

私は恐る恐る彼に尋ねた

ｼﾞｮﾝ｢うーん、そうだな…。
Aの前から消えてもらおうかな？｣

彼の言葉に背筋が凍った

学園から消えてもらうって意味か、それとも…

ｼﾞｮﾝ｢そんな怖い顔しないでよ。Aが僕のものになってくれるなら、学園にも彼にも一切手は出さない｣

｢…本当ですか？｣

彼は私の言葉に頷いた

みんながこれからもずっと幸せでいられるなら

私は喜んで犠牲になろう