Episode8 ページ9
転入してからしばらく経っても、カリムの暗殺に手こずっていた
理由はいろいろ
ジャミルが常にカリムと一緒にいることとか
ジャミルが作った料理以外は食べないし
ちょっとでも毒が混じっていれば彼は匂いでわかってしまうみたいだ
どうしたものか…
私は考え事をしながら学園内を歩いていた
｢危ない！｣
誰かの声がしてそちらの方に振り向くと、全身に水がかかった
水をかけた男子生徒は私が睨みつけると一言謝ってどこかへ消えてしまった
｢最悪…｣
全身に水が滴っている
私はベチャベチャに濡れた前髪をかきあげ、何もかも面倒くさくなって芝生に倒れ込んだ
もう散々だ。
任務も上手くいかないし、ずぶ濡れになるし…
｢こんな学校今すぐ辞めたい…｣
私は小さく呟いた
ｶﾘﾑ｢えっ、そんなに濡れてどうしたんだ？｣
声のした方を見ると、二階の渡り廊下からカリムが身を乗り出しているのが見えた
私は何も答えず、立ち上がって制服の汚れをはらった
ｶﾘﾑ｢ちょ、ちょっと待てよ！｣
どこかへ行こうとする私を追いかけるためかは分からないが、渡り廊下からカリムの姿が消えた
私はメインストリートを通ってカリムから隠れる場所を探そうと歩いていたが一歩遅かったようだ
ｶﾘﾑ｢待てって…。はぁ、お前歩くの早くないか？｣
息を切らしたカリムが私の右手を掴んでいる
カリムは私の正面にまわって、ずぶ濡れの私をジロジロ見た
｢教室戻りたいので退いてください。｣
イライラしていた私は少しキツめに言った
それでも彼が退く気配がない
ｶﾘﾑ｢それで教室戻るのか…？｣
｢そうですけど、何か？｣
今日は飛行術の授業がないため着替えを持っていない
まあ、ブラウスはあまり濡れていないのでブレザーを脱げば何とかなるだろう
私はその場でブレザーを脱いだ
｢ブレザーの下はあんまり濡れてないので｣
ｶﾘﾑ｢ブラウスだけじゃ寒くないか？｣
心配そうに彼は私を見つめた
｢寒くない…です。｣
ｶﾘﾑ｢あ、今嘘ついただろ！俺分かるんだからな｣
彼から目を逸らして黙っていると
私の肩にカリムがいつも着ているカーディガンが掛けられた
ｶﾘﾑ｢今日はそれ着てろ！風邪ひいたら大変だからな｣
カリムはそれだけ私に言うと｢じゃあな｣と手を振って去っていった
カーディガンからカリムの体温が伝わって温かい
私はカーディガンに腕を通して、教室へと急いだ
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広告 - めちゃくちゃ良かったです！ (2020年10月21日 19時) (
レス) id: 21de1d3817 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 陷さん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようでよかったです！ (2020年6月29日 22時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
陷(プロフ) - さいっっこうでした！ハピエン厨なので作者様がハッピーエンドを書いてくださり本当に嬉しかったし、とても素晴らしい小説でした！ありがとうございます！ (2020年6月29日 21時) (レス) id: cd18a981b6 (このIDを非表示/違反報告)
海賊船の雑用 - はい！ずっと見てます！←ストーカー (2020年5月27日 20時) (レス) id: 3287b8cc09 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 海賊船の雑用さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけてるようでなによりです！これからも頑張ります！ (2020年5月27日 20時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年5月26日 17時
