Episode4 ページ5
トントンと扉を叩く音で私は目を覚ました
時計を見ると17時をまわったところだった
まだ夕餉の時間ではないようだ
誰が来たんだろ…
不審に思いながらも私はドアの前に行った
｢誰ですか｣
ｶﾘﾑ｢A！オレだ。開けてくれないか？｣
ドアの前からカリムの声が聞こえた
｢何の用ですか｣
私はドアの鍵を閉めたままそう尋ねた
ｶﾘﾑ｢寮服を持って来たんだ！開けてくれ！｣
これ開けないとダメなやつ…？
できれば開けたくないんだけど
ドアの前で開けるか開けまいか少し考えていると
再びドアがノックされた
ｶﾘﾑ｢…開けてくれないか？｣
悲しそうな声色で私に尋ねるカリム
どうしようもなくなって私は渋々ドアを開けた
｢なんですか｣
ｶﾘﾑ｢やっと開けてくれた！｣
彼は私が少ししか開けなかったドアを大きく開くと
手に持っていた寮服を私に差し出した
ｶﾘﾑ｢サイズは大丈夫だと思うんだが…一回着てみてくれないか？｣
｢は？｣
突然のカリムの申し出に驚いた私はマヌケな声を出してしまった
今着るの？
ｶﾘﾑ｢あぁ！もちろん着替えてるところは見たりしないから！｣
｢そんなの当たり前です｣
何故か急に顔を赤くして言ってきた彼を私は少し睨んだ
ｶﾘﾑ｢だっ、だよな…はは…。｣
私は相変わらず顔が赤い彼から寮服を受け取って
ドアを閉めた
ｶﾘﾑ｢A、すまない！怒ったか…？｣
ドアの向こうからカリムの声がする
私はサッと寮服に着替え、ドアを開けた
ｶﾘﾑ｢いてッ…｣
勢いよく開けたわけではないが、部屋の前で額を押さえてうずくまっているカリム
ドアに頭をぶつけたようだ
｢ぷっ、ふふ…。大丈夫ですか寮長？｣
カリムの様子が可笑しくて私はつい笑ってしまった
すると彼は額を押えながらパッと顔を上げると
私の方を見て微笑んだ
ｶﾘﾑ｢やっと笑ったな。笑ってた方が綺麗だぞ｣
心臓がドキッと跳ねた。
彼は何を考えているのだろうか
綺麗だなんて…。
不意打ちの言葉に不覚にもときめいてしまった
｢……｣
ｶﾘﾑ｢あと、寮服もよく似合ってる。サイズもピッタリだな｣
そう言って彼は私の腕にある蛇の腕輪をそっと撫でた
｢さ、触らないで！｣
ｶﾘﾑ｢ごめ…｣
触られるとは思わなくて、驚きのあまり叫んでしまった。
目の前のカリムもすごく驚いているようだった。
私はカリムを押し退けてすぐにドアを閉めた。
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広告 - めちゃくちゃ良かったです！ (2020年10月21日 19時) (
レス) id: 21de1d3817 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 陷さん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようでよかったです！ (2020年6月29日 22時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
陷(プロフ) - さいっっこうでした！ハピエン厨なので作者様がハッピーエンドを書いてくださり本当に嬉しかったし、とても素晴らしい小説でした！ありがとうございます！ (2020年6月29日 21時) (レス) id: cd18a981b6 (このIDを非表示/違反報告)
海賊船の雑用 - はい！ずっと見てます！←ストーカー (2020年5月27日 20時) (レス) id: 3287b8cc09 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 海賊船の雑用さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけてるようでなによりです！これからも頑張ります！ (2020年5月27日 20時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年5月26日 17時
