Episode21 ページ23
『寮長！それは食べないで！』
毒の香りがするスープをカリムが飲もうとしている
私は必死にカリムの方に手を伸ばした
でも、間に合わなくてスープを飲んだカリムは苦しそうに足元に倒れた
_________________
｢嫌ッ…！｣
私は勢いよくベッドから起き上がった
どうやらさっきのは夢だったようだ
重みを感じて、足元の方を見るとカリムが私の手を握りながら眠っている
私はカリムの顔を優しく撫でた
すると、彼は嬉しそうに微笑み｢A…｣と寝言を言った
私の夢を見てるのかな…？
嬉しくなって、私はもう一度カリムを撫でた
ｶﾘﾑ｢A…す、きだ｣
その言葉にピタリと撫でていた手を止めた
私のことが好き？
いやいや、そんなこと絶対にない
｢あるわけ、ない…｣
私が呟くと、カリムが目を擦りながら体を起こした
どうやら起きたようだ
ｶﾘﾑ｢ん…。A！体調大丈夫か？｣
彼は私の肩を掴んですごい勢いで聞いてくる
｢大丈夫ですよ。もうだいぶ楽になりました｣
ｶﾘﾑ｢よかった…｣
カリムはひとまず安心したようだ
ｶﾘﾑ｢Aが苦しんだのはオレのせいだ…｣
｢違いますよ。あれは私が勝手にやったことです｣
｢でも…｣といつまでもくよくよしているカリムは見たくないので、私は彼の頬を引っ張った
｢ほんとに大丈夫ですから！ほら、この通り！｣
ｶﾘﾑ｢……｣
｢あー！もう！｣
私はカリムの方に近づいて、彼の手を掴んだ
｢笑ってください。寮長は笑顔が一番似合いますよ｣
私がそう言うと、カリムはぎこちなく笑ってみせた
｢それでよし。…さあ、寮に帰りますか｣
私がそう言うとカリムは私の前に背を向けてしゃがみ込んだ
ｶﾘﾑ｢乗ってくれ。せめてこれくらいはさせて欲しい｣
私は一瞬驚いたが、彼の気が済むならとカリムの首に手を回して体を預けた
ｶﾘﾑ｢軽いな！｣
｢そんなことないですよ｣
寮長は立ち上がって、ベッドの下に置いてあった私の鞄を持った
｢寮長、温かいですね｣
夜の校舎は少し肌寒くて、カリムの体温が心地よく感じた
私は少し抱きつく力を強めた
ｶﾘﾑ｢Aも温かいな！あと、軽い！｣
｢ははっ、またそれですか？｣
私たちは帰ったら一緒にご飯食べようとか、今日あったこととかを話しながら帰った
それがなんだか心地よくて、
ずっと寮につかなければいいのに、なんて考えている自分がいた
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広告 - めちゃくちゃ良かったです！ (2020年10月21日 19時) (
レス) id: 21de1d3817 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 陷さん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようでよかったです！ (2020年6月29日 22時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
陷(プロフ) - さいっっこうでした！ハピエン厨なので作者様がハッピーエンドを書いてくださり本当に嬉しかったし、とても素晴らしい小説でした！ありがとうございます！ (2020年6月29日 21時) (レス) id: cd18a981b6 (このIDを非表示/違反報告)
海賊船の雑用 - はい！ずっと見てます！←ストーカー (2020年5月27日 20時) (レス) id: 3287b8cc09 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 海賊船の雑用さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけてるようでなによりです！これからも頑張ります！ (2020年5月27日 20時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年5月26日 17時
