雨のち晴れ 2 (青) (ページ19)

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丁度横断歩道で信号待ちをしていると、遠くに見覚えのある人影が見えた。

丸山先輩と、あやさん？

手繋いでる、。

あー、あの二人付き合ったんだ。

丸山先輩、すごい幸せそうな顔してる。

ちょっとだけ寂しいけど、それよりも先輩が幸せそうでよかったっていう気持ちの方が強くて。

もう先輩への気持ちは無いんだなって分かった。

『Aのことが好き』

立崎くんの言葉を思い出す。

幸せってなんだろう。

.

私にも中学一年生の時、彼氏がいた。

『A！明日のデートどうする？』

｢ちょっと、先生いるとこで言わないでよ｣

『えーいいやんべつにー』

その元カレとは付き合うまでは全く話したことなくて、

ただ私の一目惚れで。

告白したら、いいよって言ってくれてそこから付き合い始めた。

まだ子供だったから、お互い興味本位だったんだと思う。

はじめはクールな人だなって思ってて、そこに惚れてたんだけど

『A愛してる♡好き！』

｢廊下の真ん中でやめて、｣

『ええやん〜』

付き合ってみてから分かった。

その人は全然クールなんかじゃなかった。

ましてや私は彼のことをなんにも知らなかった。

だから、

｢ねぇ、やめて？

なんなの、私人前でイチャイチャするの好きじゃないの。

もう、別れよ｣

そうやって突き放した。

だから彼を傷つけた。

『Aは俺のどこを好きになったん？』

その言葉を最後に、彼とは一切関わらなくなった。