鳴かぬ蛍が身を焦がす 【JM】 ページ8
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私の初恋はあっけなく散った。
先人の「初恋は実らないもの」という言い伝えは正しかったらしい。
令和になっても消えることのないだろうこの名言は、私という、たった今しがた失恋した乙女によって更に裏付けされてしまったのだった。
「泣いた？」
「泣いた」
ジェミンは、私の初恋相手を知る唯一の男の子だった。
彼がそれを知ったきっかけは本当に偶然というしかないのだが、体育の授業でグラウンドに立っているその人を私が教室の窓から見つめていた時。
彼は教室後ろのロッカーに荷物を取りに行く段階で、私のその呆れるほど真っ直ぐな視線に気が付いたらしかった。
突然私の隣で立ち止まって、「・・・テヨン先生？」と呟くのだ。
パッと振り向くと、私の視線を追っている彼がいて、これはバレたと悟ったが周りに人もいたために私はしらを切った。
「が、どうしたの？」
「え？」
「だから、テヨン先生がどうしたのって。」
私は彼に興味のないフリをして、まるでジェミンがたった今、テヨン先生に気付いたかのように答えた。
こうすることでしか私の非道徳的な恋心を守れない。
ジェミンは私のその考えまで悟ったらしい。
彼は意外と人の感情に対して機敏に察知する方だった。
「・・・ううん、別にどうもしないよ」
彼は私に視線を移してそう言うと、ロッカーへとまた足を向けた。
それからというもの、私は何日か怯えながら過ごした。何故ならあのナ・ジェミンが親しくしているクラスメイト達に、私がテヨン先生に許されない感情を抱いていることをバラされてしまうのではないか……
もしくは黙っといてやるから何かしろ、と脅されるのではないかと考えていたからである。
彼自体は1人でいる際には物静かなのだが、彼が仲良くしている人達は非常に活気に満ちた人たちだった。 彼らにバレたらひとたまりもない。
まあもちろん、彼が意地の悪い気質を持った少年ではないことは知ってはいたが、この時の私にはそのようにしか考えられなかったのである。
しかしそんな心配は杞憂に終わり、私は胸を撫で下ろしながら普段通りの生活を過ごしていた。
そんな矢先だった。
テヨン先生に可愛い彼女がいると知ったのは。
イケメン新任教師に彼女が居ないわけがなかった。
ことの発端は、体育の時間にクラスの派手な女の子たちが彼の指に光る指輪を目ざとく発見したことから始まる。
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マリン(プロフ) - ころころまんさん» ジェミンを応援したくなるというコメント本当に嬉しいです。最後まで主人公の味方になろうとする彼を書きたかったので……！コメントありがとうございました！ (2021年3月21日 12時) (
レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
ころころまん(プロフ) - ジェミンの話が一番面白かったです。ドキドキするしジェミンを応援したくなるし、ジェミンっていいやつなんだなぁと私は感じました。また更新お待ちしています。こだわりのある感じがまた最高です。 (2021年3月21日 4時) (レス) id: ddd6b54eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリン | 作成日時：2021年2月15日 1時
