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女というものは年齢関係なく、この手の事象にやはり鋭いと感心した。
しかしそのことに気付いていながら本人に直接聞くことのできなかった私にとっては、耳をそばだてて聞かなければならない話である。
グラウンドで授業に使った道具を片付ける時、テヨン先生は彼女たちに捕まっており、私はボールがたくさん入った籠付きの荷台をわざとゆっくり押していた。
もちろん、盗み聞きのためである。
「重いよね？俺やるよ。」
先生の近くを通る、っていうその瞬間。
その声と同時に持ち手を掴んだのはジェミンだった。わざと遅く押して盗み聞きしてるのに・・・という考えと、いつもジェミンはタイミングが悪い、と二つの考えが浮かんだ。
彼は私がテヨン先生を見ているとき、よく声をかけてくる。
彼を丁重にお断りする前に、あの女の子たちと先生は会話を始めてしまった。
掴んだまま離さないジェミン、盗み聞きをしたい私、そしてそんなこと露知らずの女の子たち。
謎の三つ巴状態であった。
「あれ？先生この指輪新しくない？もしかして彼女？」
1人がそう呟いた途端、わっと盛り上がる女の子たちと、先生の方を見る私。
女の子たちはにやにやと笑いながら面白い玩具を見つけた、とでも言いたげな顔をして先生の指輪を眺めている。
「女の子ってこういうの本当にすぐ見つけるね・・・」
「観察眼舐めてもらっちゃ困るよ先生〜！で？どうなの？」
「うん、彼女。この間記念日だったから・・・」
「ふう〜！先生やるじゃん！！！」
盛り上がる彼女たちは、純粋に恋愛話が好きな等身大の女子高生であった。
彼女たちを見ていると、いかに自分が抱いている感情が許容されないものなのか、身に染みて感じる。
私の中のこのどうしようもない気持ちは吐き出されることなく、喉の奥でじりじりとくすぶったまま、いつか消えるのを待つしかないのだ。
「はいこの話はおしまい！さっさと片付けてきて〜！」
先生がぱん、と手を叩いたとき、私はやっと自分の置かれている状況を思い出した。感傷に浸っている場合ではない。
流石にもういないだろうと振り向けば、彼―――ジェミンは未だそこで私と同じように微動だにせず、持ち手を握ったままだった。
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マリン(プロフ) - ころころまんさん» ジェミンを応援したくなるというコメント本当に嬉しいです。最後まで主人公の味方になろうとする彼を書きたかったので……！コメントありがとうございました！ (2021年3月21日 12時) (
レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
ころころまん(プロフ) - ジェミンの話が一番面白かったです。ドキドキするしジェミンを応援したくなるし、ジェミンっていいやつなんだなぁと私は感じました。また更新お待ちしています。こだわりのある感じがまた最高です。 (2021年3月21日 4時) (レス) id: ddd6b54eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリン | 作成日時：2021年2月15日 1時
