四話_水星 ページ5
結綺_side
不思議な子…ってよりは、なんだか威圧感がある子だった。
っていうのが、私の第一印象。
例えるなら…そう、王様とか、地位の高い人のような。
でも、どこか子供っぽかった。私に言われたく無いだろうけど。
流「…なんだったんだ」
結綺「…」
缶の中を見て、十分にお金が溜まっていることを確認する。
結綺「まぁ、これなら十分なんじゃない?きっとあの子ともまた会えるよ」
流「…なんか引っかかるなぁ…」
未だ引っ張り続ける流を置いて机とトランプカードを片付ける。
ゴミも片付け、しっかりと綺麗にしてバックを抱える。
結綺「さ、行こ。兄さんの情報は…」
??「あ、あのっ‼」
バックを抱えたまま流に振り向いたところで、女の子の声が聞こえた。たぶん私達に対して。
…やっぱり無断はダメだったかな……
言い訳を考えながら、声のした方へ振り向く。
結綺「えと…」
ミュール「あ、あの、私ミュールっていって‼あぁ違う、そうじゃなくて、えぇとっ…」
あわあわとしどろもどろに話す女の子…ミュールちゃん?
水色の髪と左目、青い右目。
三角の黄色いピンを2つ付けている。
ミュール「あの、えと…に、日本のあのサーカス団の人…ですよね?」
結綺「ふえ?」
まさかこんな遠い外国で私達のことを知ってる人がいるとは思ってなかったから故、間抜けな声か出てしまう。
流「俺達を知ってんのか?」
ファンの対応に慣れてない私の代わりに、流が間に入ってくれる。
ミュール「は、はいっ!ってことはやっぱりサーカス団のっ…!」
流「…ま、そうだけど…何?俺達急がしいんだけど」
相変わらず塩対応な流に若干威圧されながらも、ミュールちゃんは必死になって話している。
ミュール「あ、えと、そのことでっ…風の噂で、貴方達がだれかを探していると聞きまして」
流「風の噂…?」
風の噂、という単語が引っかかったのか、流は顔を顰める。
まあなんか胡散臭い単語だしね、風の噂って。
ミュール「あ、はいっ!私、惑星の能力者で…水星の力を使えるんですっ‼」
…惑星の能力者…?
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作者名:るくれさん | 作成日時:2018年4月22日 13時