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伊野尾くんの後ろに謎の花が見えるようになったあの日から1週間。
今日はどうなんだろうと内心ドキドキしながら仕事に向かう。またあるのかな。
あんまり気にし過ぎても良くないよなとは思っても、あんなイレギュラーな出来事を忘れることなんて無理だ。同じような状況になったことがある人が他にもいないかと、なかなか使いこなせないパソコンに慣れる為にもネットで試しに調べてはみたものの、ファンタジーのような物語しかヒットしなくて俺の欲しい情報は残念ながら手に入らなかった。
そしてむしろ慣れないパソコンを使うのにストレスが溜まってしまい、疲れただけだった。だってキーボードって打ちにくいよね？ それこそ伊野尾くんや少し前まで学生だった薮くんみたいにささっと出来たらいいんだろうけど俺には向かない。
今度遠慮せずに使い方教えてもらおうなんて別の目的が生まれてしまった。ある意味よかったというかなんというか。
「はあ」
「また今日も唸ってんの？」
「唸ってない。ため息ついてんの」
順調に進むインタビューと撮影の合間の休憩時間にペットボトルの水を飲みながらぼんやりしていたら有岡くんに声を掛けられた。
「知ってる？ ため息つくとしあわせが逃げるんだよ」
「なにそれ」
「そういう迷信があるんだよ」
「ため息ついたぐらいで逃げるんだったらすでにその時点でしあわせじゃないと思うから、それくらいでは不幸せにはならないって」
うりゃーとか言いながら俺と有岡くんの間のスペースに入り込んで会話に参加して来たのは俺のため息の元になっている伊野尾くんだ。
やっぱり今日も伊野尾くんの後ろには花が見えている。近くにいるから匂いを強く感じるし、花自体がとても鮮やかで綺麗なことがよく分かった。これすごくいい匂いだな。スン、と鼻を鳴らすとそれに気付いた伊野尾くんが疑問を含んだ視線で見つめてくる。それから俺が思ってもいないことを言い始めた。
「俺なんかにおう？」
「へ！？」
「何急に。全然そんなことないよ。な！ �睫據�
有岡くんにそう言われて、うんうんとすぐに頷いた。むしろこのままこの香りに包まれていたいくらいなのに。
「だって�睫擇�難しい顔してるからさ」
眉が八の字になっている伊野尾くんは何だか少し幼く見えて、俺の口から出た返答はこれだった。
「いや、なんか伊野尾くんいい匂いだし困り眉なのかわいいなって思って」
「なっ」
その途端、伊野尾くんの後ろの花が一気に開いた。
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ruki(プロフ) - chocoさん» chocoさん、コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けてとっても嬉しいです☺️本当にお花が見えたら2人ともずっときれいな花を咲かせて、周りに飛ばしてるかもしれません笑 まだもう少し続くので良かったらお付き合いくださいませ🥰 (7月6日 18時) (
レス) id: aad90071ba (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - このお話めちゃくちゃ好きです🫶�睫擇気鵑頬�められてブワッて花が咲く所で伊野尾さんがどんな顔するのか目に浮かんじゃいました！その後お花萎えちゃうのに何でもない顔する所も。これからたかいのを見たら見えないお花が見えてきそうです。 (7月6日 5時) (レス) id: a8ac698638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruki | 作成日時：2023年5月15日 12時
