リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ10)

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九匹目ページ10

No side

人狼は、笑っていた

＿＿＿＿＿＿＿愛は綺麗なものなのだと

人狼は、泣いていた

＿＿＿＿＿＿＿殺したくはないのだと

それでも人狼ゲームは終わらない

最後の一人になるまで

人狼、人間……どちらが勝つのか？

それは誰一人知る由も無いだろう

黎明は迎えには来てくれないのだ

あるのは静寂の夜のみ

悲しい欲望を見て目を逸らした

見て見ぬ振りほど楽なことはないのも、人狼は知っている

“本当の答え”がどれだけ無力な物なのかも、理解していた

夢を見たかった

何もかも真相は見えずにいる

翻弄される心を閉ざせ

答えなんて、いらない

「……次は…誰にしようか」

何度でも彷徨う願い

いつか帰る時まで願い続けて

探しても見つからない答えを追うのはもう辞めたい

妄想は叶わない

感傷には浸らない

代償は払わない

連盟を組もうじゃないか

いつか、帰る時まで

「殺したくない……！」

死なせたくない、生かせたい、生きたい

いろんな思いが交差して人狼は混乱した

「嫌だ、嫌だ、いや……！」

殺したくはないんだ

でも、死にたくないんだ

許してくれ

許しを請うても仕方がない

遮られる

「……今日も…また、一人…………」

さぁ……誰を、殺そうか……

ポロリと溢れた綺麗な雫は、人狼の袖を濡らした

月が殺戮ゲームを見て笑う
風が轟いて止まない

沈んでしまった答えは、誰にも見られることもなく

『一体、どうすればいいのか？』

わからない

死にたい
死にたくない

殺さないと
殺したくない

人狼は、上下するシーツの上にナイフを突き立てる

気持ちの良さそうな寝息

うっすらと伺える涙の後

とても、綺麗だ……

「……さようなら」

バレてしまった(・・・・・・・)、仕方がない

人狼は、胸にナイフを＿＿＿＿＿＿＿……

二日目、終了