リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ50)

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番外編（道化師）ページ50

「あなたは、人気者だもの。私以外に友達なんてすぐできちゃうでしょ」

そう言って笑ったAの顔を、今でも鮮明に思い出すことができる
悲しそうで、泣きそうで、今にも壊れてしまいそうなのに無理に笑った彼女はとても綺麗で

壊してしまいたいと思うほど、綺麗で

「トト子？何、怪訝な顔してるの？」
「ううん～。おそ松くんたちと仲良かったんだ」
「ちょっと最近ね、話す機会が増えたの」

初めて話した気がしないよね、と言ったAの顔
何故か、あの日みたいに壊したいと思って

どうして悲しそうなの？なんで泣きそうなの？でもあの日と違うのは、安心したような…

「…そっか」
「？トト子？」
「ううん、なんでもない」

生まれ変わっても、あなたが綺麗なのは変わらないし、1番の親友だと思ってる

前世の間違いがもう起きないように
あなたを泣かせることがないように

自分で自分の命を絶つなんて、二度とそんなことしないって誓うよ

だからさ、もう一度、一度だけでいいの
遠慮なんかしないで、素のままで、親友だよって笑って欲しいの

今世ではまだ仲じゃないから、こんなこと言っちゃおかしいでしょ？でも、ね、A

私たち生まれる前から知り合いなのよ

「変なトト子～。あ、そーだ、ねぇ、カラ松くんと知り合いだったりする？」

そう言うAは照れ臭そうに笑って、へへ、と声を上げた
カラ松くん？また、カラ松くんなの？

前世でもその前でも、あなたはまたカラ松くんを好きになるのね

「好きなの？」
「ちっ、違ッ…そんなことなっ…く、もないけど…」

ほら、そうやって嘘をつけないのも、恥ずかしくなると髪を触るのも、全部前のままだね

変わってない
そんな気がして、一人で嬉しくなった

前世の記憶があるって言ったらあなたは笑うかな、また離れていっちゃうかも

そんなのは、もう嫌だから

私はニッコリと笑って、笑顔の裏に切望した願いを隠した
その願いはあまりにも勝手で、あまりにも滑稽で、あまりにも残酷

だってあなた、前世で仲間を、友達を…好きな人を、その手で殺したんだもの

思い出せなんてわがまま言えない
けど、願うことだけは許して欲しいの

───────あのゲームの事、思い出して、それから全部、思い出して欲しいなぁ

そっと隠した願い事は、きっとこのままじゃ膨らんで、私じゃどうしようもなくなってしまう

ねぇ、いつかあの頃の話をしよう
今は忘れてる、それでいいけど

それが嫌なら私を殺して

───────
これにて完結です！ありがとうございました！