リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ35)

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三十四匹目ページ35

そのとき、学校のチャイムが鳴り響いた

『おやおや、お困りのようですねぇ…』
「ッ…道化師っ…あなた何が目的なんですか！？」

頭の中で直接響くような声

『大方、何故十四松くんの体をまた持ち出したのか…といったところでしょうか？』
「…わかっているなら説明しろ」
『そうかっかしないで欲しいですね…』

怖いですよ、と馬鹿にしたような笑い声を上げる道化師
カラ松くんは私の体を抱き寄せた

その力強い腕に抱かれて、強張っていた体が解けるような気がした

『一つ言っておきますが、私はそんなことしていませんよ？』
「え？し、していないって…」
『はい。そんなことする必要がないですからね』

そう言うと、道化師は高笑いをする

ね、ねぇ…なんで？
道化師じゃないとすれば…誰が，死体を持ち出したの？

『あらあら…謎が増えてしまったみたいですね』

……あれ？今、道化師の声…
女の子みたいな、高い声が混じっていたような…？

しかもそれは、聞き覚えのある声で

『死体を出すほど飢えていた人物なんて…人狼しかいませんよ？』

では、しばらくこの世をお楽しみください
そう言った道化師は、まるで鈴のような笑い声を上げた

何故『後生』と言わず『この世』と言ったのか

そんなことに意味はないのかもしれないけれど、今までの道化師の言葉の選び方を見ていれば少し違和感がある

それに…───────

「カラ松くん…女の子の声じゃありませんでしたか？」
「あぁ、確かにノイズに混じってAくらいの女の子の声した」

やっぱり、カラ松くんにも聞こえてる…

つまり道化師は、女の子なの？

「それに、道化師だと思ってたら違ってたみたいですし…」
「謎が増えたな…」

どうする？と困った声を出すカラ松くん

「……謎は、待っていても解けません！」
「ふふ、そうだな」

調べにいくか
そう言って、カラ松くんは私の手を引いた

それに少し、ドキッとしたり

私、カラ松くんのこと好きなのかな…？

こんな状況なのに、好きになっちゃったの？

だとしたら、この想いはずっと隠しておかなきゃ

ずっと前から、好きだったみたいな気分になるけど
私とカラ松くんが会ったのは、今回が初めて…

な、はず…よね？

何故だか、記憶が操作されているように思えて仕方がない

「A？」
「ぁ、どうかしましたか？カラ松くん」
「…いや、いつも綺麗だ、と思って」

……そんなこと言われたら、私…

そんなことないですよ
なんて言って、この気持ちに蓋をした