リアル人狼ゲーム【カラ松】

二十九匹目 ページ30

まさか、と、呟いた私の言葉をカラ松くんは聞き逃さなかった

「なにが、まさか、なんだ？」
「……大したことじゃないですよ」
「それでも良いんだ。話してくれないか」


……話しても、別になんてことない内容だけど

それだとまた、新しい謎が…


「…私は、この学校で目覚めたとき、何故かこの学校を知っていたんです」
「…そう考えてみれば、知らない場所は無かったよね…別に一人で行動できたんだし…」


そうなんですよ、と言う
つまり、私たちはきっとこの学校の生徒である、と言うこと

そして生まれる謎は、なぜ私が有名であっただろう六つ子を覚えていないのか？


「…わからないんです。私たちはまるで初対面のように会って、また生活を初めて…でもきっと初対面じゃないはず」


私たちの中で、相手を忘れさせないといけない関係が生まれていた、と言う仮説を立てられる

じゃあその、関係ってなんだ？


あぁ、謎ばかりで頭が痛い


「でも、トト子ちゃんのことを思い出せて良かったです」
【ほんっとに、迷惑ですよ〜。まさかプログラムを突破してくるだなんて、思わなかったですからね】
「！？」


ガガッと雑音が聞こえたあと、スピーカーからいつもの道化師(ピエロ)のふざけたような、でもどこか不機嫌そうな声が聞こえた

それに身構える私達


【まさか、貴女にそこまでの根性と我慢強さがあったとは驚きです。私の誤算でしたね。ですがまぁいいでしょう。今回は近況報告と、殺されたゲームプレイヤーの役職のヒントを出しに来ましたよ〜】


ペラペラと悠長な声は、早口で捲し立てる

ヒント、ってなに？


【ではまず、一番最初に殺された方の役職のヒントです。ヒントは“T”】


え、てぃ、T？
思っていたのとは大分と違うヒントが出され、拍子抜けする

それは他の二人も一緒らしくて、きょとんとした顔を向けてきた


【では二人目です。お二人目のヒントは“P”】


なに？アルファベット？
なにか関係があるの？アルファベット順とか？

でも、今までの謎の難解度からして、そんなに簡単な話じゃないと思う


【三人目は“S”で、四人目は“F”ですよ？】


役職に関係がある、ってことだよね？

全くわからない


【そして、解き方はあなたたちの中で一番頭の良い方の得意科目】


ではまた、と嬉しそうな声を最後にスピーカーは途切れた


この中で一番頭が良い…


「Aだろうね」


そう言われるとは思っていた

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