リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ29)

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二十八匹目ページ29

関係ないのか、と言われれば違う気がする
関係ないことはない

きっと理由の一部ではあるんだろう

「とにかく、トト子ちゃんについて何か…思い出せることは……」
「…いた、痛い…」

青い空を思い出して、白い雲を浮かべて
あの騒々しい蝉の声を聞いて、生暖かい風を感じようとすると、頭に激痛が走った

こんな、なに、なにが起こってるの…？

「A…！？」
「ダメ、ここで諦めたら……また振り出しに…」

振り出しに戻るなんて絶対ダメ
頭を抑えつつも、その先の記憶を呼び覚まそうと脳に負担をかける

『バイバイ、A』
『え、なに、どういうこと？トト子ちゃん？意味、わかんないよ…』

夕焼けの中で微笑んだトト子ちゃんは、なんでもない、といつも通り眩しい笑顔で私を見つめた

これじゃない
この記憶じゃ…

『トト、子……ちゃ…』

ギシッギシッと目線で揺れる足
長い髪もユラユラと揺れて

外では野球部の声と、けたたましい蝉の声が

蝉時雨は、止むことはなく

「あぁっ……あ、が…」
「A！？ちょ、カラ松お前なにしてんだ…！」
「で、でもどうすれば…！」
「適当に氷嚢とか持ってこいよ！」

あぁ、全部……

全部、思い出しちゃった

「も、大丈夫……です…それより、思い出しましたよ……」

私たちが、ここへ連れてこられた理由
その一部を

「……トト子ちゃんは、死んでいます」
「なっ…ん、で…」
「私の目の前で、死んでいました。冷たくなった体を下ろしたのを、今でも手に感じます。それに……トト子ちゃんは、死んでも綺麗なままで…」

どうして、死んじゃったのか、なんて聞く権利私にはないよね
でも、これだけが理由じゃない

もし、トト子ちゃんが自分であの日、命を絶った事が原因なら、ここにトト子ちゃんがいないのはおかしいからだ

そのあとなにかが起こっている、ということだろう

「何があったの…？」

どう頑張っても思い出せないの
どうしてなの？

死の連鎖があった？

「…まさか、ね」

この学校を、初めて見たときに、初めてじゃないと思った理由はなに？
この知らないはずの学校の見取り図をわかっていたのはどうして？

なにもわからない

謎が解決して、新たな謎が生まれた

ただ、ひとつだけフレーズが浮かんで

『なんで、先に死んじゃうの』

誰が先に死んだの？
声からして言っているのは私だ

だけど、誰を相手に？

トト子ちゃんじゃないのはわかっているのに、誰だったのかがわからないの