リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ28)

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二十六匹目ページ28

「え……」

なに、なに、これ

なにこれ？

頭の中ではなにも考えられないくらいいろんなことがごちゃまぜになって
そんな中でも、視覚だけはそれを理解して捉えていて

そんな矛盾がまた私を混乱させた

昨日、仲直りするって言ってたじゃない

チョロ松くんに、言われてたじゃない

「なんで…」
「A、どうかしt……うわぁああぁあっ！！！」

カラ松くんの低い声が響いた

ダメだよ、これ以上は
近づいちゃダメ

心がズタズタになっちゃうでしょう？

「カラ松、お前なに叫んでんだy……ひっ…！？」

欠伸をしながら近づいてきたチョロ松は、その残骸(・・)を見て悲鳴をあげる

ダメ、こんなの

人じゃないじゃない

こんな、おかしいじゃない

どうして、私はいつも悲しいことに巻き込まれるの？

「一松…く、ん……」

カラ松くんとまだ、仲直り、してないよ？

どうしてそのまま死んじゃうの？

綺麗な切り傷は、狼の牙でも爪でもなく、まぎれもない刃物のあと

【人狼】だ…

「……一旦落ち着いて、話をしましょうか」

そう言った私は、2人を連れて一階へ向かった

「…昨日の夜のことを覚えている方はいらっしゃいませんか？」
「……昨日、昨日も俺…」

夢の中で、と言ったカラ松くんは頭を抱えてうなだれる

そうだよね、弟が何人も死んじゃって、唯一のお兄さんも死んじゃって…
こんなの、耐えられないよね……

そう言った時、『A』と呼ぶ綺麗な声が頭をよぎった

「…トト子、ちゃ……？」
「え…？今、なんて……？」

呟いた声にいち早く反応したのはチョロ松くんだ

『トト子ちゃん』を知ってるの……？
どうして。なんの関係があって？

「……まさか…トト子ちゃんと、知り合いだったの…？」
「チョロ松くん…いや、六つ子こそ……どうしてトト子ちゃんを知ってるんです？」

僕たちは幼馴染だったから、と言ったチョロ松くん

そうだ、トト子ちゃんは言っていた
『顔の同じ6人の幼馴染がいる』と

あの青い空の下、太陽にも負けないくらいの美しい笑顔を称えて

その光る声を思い出し、ハッと思い出す

「もしかしたら…私たちの共通点って、トト子ちゃん、なのかもしれませんね…」
「……でもさ、それはこんなゲームをさせる理由にはならないんじゃないかなぁ…理由になるには弱いと思わない？だって僕らはただの『幼馴染』で、Aはただの『女友達』な訳で…」

確かに、こんな残虐な殺人ゲームをさせる理由にしては弱い気が…

じゃあ、トト子ちゃんは関係ないの？