リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ24)

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二十二匹目ページ24

「トド松くん……？」

朝、みんなが起きて同じ場所に集まっていると言うのに、トド松くんだけが来ない
これはおかしい、とみんなで話し合った結果、とりあえずみんなで探そうと言うことになった

私はまずトド松くんの寝室である生物室を見ようと三階まで上がってきたのだ

そして、トド松くんの名前を呼びながら扉を開いた

目に飛び込んできたのは、床に絨毯のように広がる赤い液体
それをたどっていくと、部屋の奥、机と机の間に見える白い手

あ、れ…って……？

人間、驚いた時は声は出ないものなのだ、と思い知る
でもどこかでわかっていたのかもしれない

こうなると思っていた(・・・・・・・・・・)

「と、ど…まつ……く、ん」
「A、そっちいt…うわぁあああぁああっ！！」

固まっていた私に声をかけた一松
その目はしっかりとそれ(・・)を捉えていた

体を切り裂かれて生き絶えていたのは、他でもない、トド松くん本人で

嘘だと言って欲しかった

これ以上、知り合いが死ぬのは見たくなかった

おそ松くんたちだって、まだ綺麗なままで。まるで生きているみたいなのに

私たちは、これを恐れていたのに

また、離れていくの……？

「ぇ……また…？」

またって、何？
この前にもこんなことがあったの…？

私はそれを、間近で見たの……？

何もわからない。虚無が私を包む

何より、正しい、変わらない事実は、トド松くんが死んだ、と言うこと

普段大声を出さない一松の叫び声を聞いて、チョロ松くんとカラ松くんが集まってきた

その顔はトド松くんを見た瞬間、絶望に変わって

その時、頭上のスピーカーが、ガガッと狂った音を立てる

『おやおや～？3人目の被害者ですねぇ。早くしないと全滅ですよ？人狼側の勝利です。市民側は頑張ってくださいね～♪』

陽気な声が耳に届く
それに激しい怒りを覚えた

何、白々しいこと言ってるの

全部あなたが仕組んだくせに
殺したのも、どうせあなたなんでしょう？

こんなゲーム、始めたのもあなただわ

『そんなあなた達に朗報です』

朗報……？
その言葉に私たちは耳を傾ける

こうなったら、みんなで生きて外へ出て、おそ松くんたちとまた笑いあえるって儚い希望を信じたくなって

『いや…あなた達にとっては、悲報かもしれませんね。愛する人を信じるか…友達を信じるか……？または、兄弟を信じるか……ですよ…？』

ケラケラと軽い笑い声を上げて、スピーカーが切れた