リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ21)

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番外編「向日葵」ページ21

サンサンと太陽が辺りを照らしていた
アスファルトで陽炎が揺れ、景色を揺らす

爽やかな青空が広がり、うるさい蝉の声にも夏を感じて

あっついな～…なんて、手で空を仰いで

生まれてから何度目かの夏が来た

毎度毎度変わらない夏は、また来年も変わらずやってくるんだろう
そんな夏は別に嫌いではない

『普通』はなによりも難しいことだと、わかっているから

「ふふ、良い感じに育ちましたね」

黄色い花を太陽に向けて開いている向日葵を撫でた

「あなた、その花好きなのね」
「！」

急に声をかけられて振り返った
そこには可憐に笑う、二つくくりの女の子

「私、弱井トト子。あなたは？」
「私は…A、Aです…」

そう、と言って近づいてくる彼女に身構える

それでも笑顔でいる彼女は、どことなく弟に似ていた

「Aが育てたの？この向日葵」
「え、あ、あぁ…そうですよ。向日葵が好きなんです」
「そうなのね！私はハハコグサが好きよ。『忘れない』って花言葉があるの」
「…そうですね。向日葵の花言葉は『憧れ』『あなただけを見つめる』……でも、大輪かどうか、色によって花言葉はカラリと変わりますよ」

あら、と呟いた彼女は、大きな目をこちらへ向けて例えば？と首を傾けた
少し、私たちの距離が近くなった気がして、嬉しくなって私は口を開く

「白の向日葵があるんです。その花言葉は『程よき恋愛』です」
「なんか冷めてるわねぇ～」
「ふふ、そうかもしれませんね。でも大輪の花は『偽りの愛』、『偽金持ち』ですよ？紫は『悲哀』です」

そう言うと、良い花言葉ね、と呟く

私には、まだ意味は理解らなかった

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余談です。

王様ゲーム【おそ松】の最期のHAPPY ENDの裏設定。

保健医のトト子先生、というのはAが死ぬ前に友達だった、トト子ちゃん、と同じ人物で、トト子ちゃんの来世、というわけではありません。

トト子ちゃんは自分の幼馴染六人と、女友達一人を無くしています。
あの世界で、Aサイドではあくまで、王様ゲームという殺人ゲームに巻き込まれて死んでいきましたが、世間では自害、というふうに片付けられています。

トト子ちゃんは高校生の時に、もう二度と自分で命を絶つような子供を増やさないように、と高校の保健医になったのです。

そんな裏設定でしたー。

長々とお付き合いいただきありがとうございます。