リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ16)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:16,022 hit

十五匹目ページ16

『大狼は、人狼とは違い、占われても人狼と表示されない役職ですが、霊能の結果のみで人狼であることがバレてしまいます』

やっぱり、おそ松くんは、誰かを霊媒して……

その結果を覚えているおそ松くん

夜、人狼の部屋へ向かったのね…

わかる
おそ松くんの性格だもの

人を疑うことが一番嫌い

『これくらいでしょうか…では、ゲームをお楽しみください』

そう言って道化師はまた放送を切った

道化師とは、一体何者？

私たちの名前を知っていた、ということは私達を知っている人

「……私たちは、今言われた役職のうちの1つのどれかを知らないうちにしているということですよね？」
「知らないうちっていうのが、話をややこしくしてるよね…」
「……」

……？トド松くん…？

ずっと黙り込むトド松くんは、ギュッと固く拳を握っていた

どうしたの…かな…？

「……A、考え込んでいても仕方がない。とりあえず朝飯を作ろう」
「え、あ……そうですね…」

疑っちゃいけない
わかってる

わかってる……つもり…なん、だけど……

.

.

.

「あの、皆さんに少し聞きたいことがあるんですけど」
「ん？何？」

丸いテーブルを囲ってご飯を食べているみんなの顔を見合わせる

最初は少し狭く感じたこの机も、今では逆に広いくらいだ

カチャ、と皿にスプーンを置いた私に合わせてチョロ松君はスプーンを置く
一松くんはこちらを見ずにそのまま食べ続けていたけど、なぜか聞く耳は持っていてくれると確信

他の二人もこちらを見て不思議そうな顔をしていた

「……ここにきた理由を、推測した方はいますか？」
「いや……でも、きっと何かの共通点はあると思うよ？」
「……そうですよね…でも私にはその共通点がわからないんです」

血液型でもない
身長でもない
遺伝子でもない

六つ子の中での共通点はあるかもしれない

でも、それに私が当てはまるとは思えない

なにかを忘れている気がするのは私だけ？

何か、忘れてはいけない大事なことを忘れている気がするの

「ここに来る前の記憶がある方もいらっしゃらないようですし…きっと鍵はその、ここへ来る前の記憶の中にあると思うんです」
「……アホらし」
「え？」

ボソリと呟いたのは、今までずっと黙り込んでいた一松くん

「考えたって、無駄じゃない？どうせ殺されるんでしょ。その、人狼とか言うやつに」
「ッ……そうならないために今考えてるんじゃないですか…！」
「ここから出る方法もない。考えるだけ無駄」

そう言って、一松くんは自室へ向かってしまった