リアル人狼ゲーム【カラ松】 (ページ14)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:16,038 hit

十三匹目ページ14

『本日2回目の登場でございます、道化師でございます』
「…貴方に聞きたいことがあるんです。おそ松くんは、どうやって自分の役職を知ることになったんですか？」
『あぁ、そんなことですか』

そう言った道化師は、マイクの奥でクックック、と堪えたような笑い声を上げた

『簡単ですよ。松野おそ松様の役職は霊能者。つまり死亡した人が「人狼」か、「人狼でない」か知ることができ、霊媒結果によって残りの人狼の人数を判断できる役職です。一見あまり意味のない役職に見えますが、それは使い方次第』
「……つまり…？」
『松野おそ松様は、気づいてしまったんですよ。誰が人狼か』

でも……人狼を知ったとして、朝になると役職を忘れるという点の謎が残っている
おそ松くんだけ覚えていたのも、役職のせいなのだろうか？

『はい、御察しの通り、役職が霊能者であったからこそ一日中覚えていられたのです。やはり貴女はとても賢いと見える』
「それは光栄です。でも人狼は覚えていないんでしょう？おそ松くんを殺す理由がありませんよ？」
『一瞬でそこまで考えられるのはもはや才能ですね。では、そんな賢い貴女に質問です』

え、私に？

不安になって後ろにいた4人をチラ、と見た
すると、みんな真剣な表情でグッと頷く

「…何でしょう？」
『では……もし、一日中人狼が誰かを覚えていた松野おそ松様が、夜、その人狼の部屋へ入ったとしたら？』
「ぇ……こ、殺される…んじゃないですか？」
『その通りです。並みの人狼は、の話ですけどね。でも松野おそ松様は自分の部屋で見つかった』

……そ、れって……

人狼は、その時には「自分は人狼ではない」と誤魔化した…？

『……やっぱり貴女は賢いですね。その通りですよ。人狼はその時、「自分は人狼ではない」と言ったんです。そんなことを言われては、自分の思い違いだと思うしかありません。なぜなら、松野おそ松様は自分が霊能者である、ということを知らないのですから』

ただ、誰が人狼か、人狼でないか、がハッキリとではないけど、脳裏にあるだけ

おそ松くんの頭の中での出来事
人は、自分一人だけがその意見を持っていると、例えそれが正しかったとしても「そうではない」と間違った選択をする

人狼は、それを利用した、演技の上手い人

『ではここでもう一つの大ヒントです！AA様が素晴らしい推理劇を披露してくれましたからね！』

そういう道化師の声は、いつも以上に無機質に聞こえた