ラスト・ラバーズ２ (ページ40)

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☆ ページ40

半年後。

新曲が完成し、発売を迎えた。
豊の不倫報道も落ち着き、また新たなツアーが始まろうとしていた。

宣材写真を撮るために、楽屋で片桐さんにヘアメイクをしてもらっていた。

Aちゃんに会えない日々も俺たちは仕事に没頭せざるを得なかったが、誰もが心ここに非ずだった。
それは、日頃俺たちの様子を見ている片桐さんも、気づいていた。

大「アンタ達目が死んでるわよ。そんなんで、今回のツアー乗り切れるの？」
全員「「………」」
T「そうだぞ！まだ、引きずってるのか？」

騒動が落ち着いたにも関わらず、Aちゃんはあの家には戻らなかった。
家族の様に思ってたんだ。
そんなに簡単に吹っ切れない。

研二「Aちゃん、戻って来てくれるのかな？」
豊「俺、Aとケンカしたままだった。出ていけって言っちまった……」

豊と研二さんも、Aちゃんが帰ってくるのを諦めてなかった。
淳くんは先月、一般女性と結婚しAちゃんの事は吹っ切れたみたいだった。

大「わかったわ！ツアー始まる前にアタシがAの様子を見てきてあげる」

「俺も一緒に行く」
豊&研二「俺も！」

T「喜矢武さんはやめておけ。騒動が収まったばかりなんだ。蒸し返す様な行動は慎んだ方がいい」

この新曲を一番に聞いてくれたのは、Aちゃんだった。
俺の歌で救われたって言われて嬉しかった。
もうAちゃんがいない日々なんて耐えられない。
だから、迎えに行くよ。