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「ジゼル、新型立体機動装置作成作業、頑張ってくれ。是非とも期待しているよ。でも無理はしないように。」
「はい！ありがとうございます。」
「無理させてる奴が言ってもなんの説得力もねぇが。」
「ははっ、まぁそうだが。ジゼルにしか出来ない仕事内容だからね。ジゼルには頑張って貰いたい。目標値に達成した暁には私から開発部と技術部の兵達に何かを贈ろう。勿論、君にも。」
エルヴィンは確か兵達には酒を、ジゼルには花を贈ると言っていたな、とリヴァイは思い出しながら残りのパンを胃に放り込んだ。あの時、エルヴィンに何かの花の名前を伝えたような気がしたが、忘れた。まぁ重要なものでもないからなんでもいいが。
「ジゼル！先に倉庫に行ってるぞ！」
その時、食堂の入り口付近で聞こえた聞き慣れた声に反射的に顔を上げた。そこには開発部の兵士がこちらを見て手を振っている。否、正確にはジゼルを見て、だが。
「はい、えっと、」
「良い。お前も行ってこい。遅刻はシャレにならねぇ。」
「はい。リヴァイ兵士長もお仕事頑張ってください。」
「ああ。」
「それじゃあっ！」
嵐のようにパンを詰め込みトレイを返して食道を去っていったジゼルの後ろ姿を確認した後、俺も食堂から踵を返した。糞眼鏡はまだ気を失っていたが気にする事でもないだろう。どうせ気絶したついでに日頃の寝不足も重なって眠っているだけだ。どうせなら俺もこいつのように寝てしまいたいが、と悪態をつく。
.
暫くして見えてきた団長室。ドアノブを撚り、中に入れば書類と向き合っているエルヴィンの姿があった。気にせずにソファーに座ればエルヴィンが呆れ顔で俺を見る。
「……リヴァイ、せめてノックをしてくれ。」
「今更だろうが。それに面倒臭い。」
「はぁ…。面倒臭いも何も仮にも私は上官だ。」
「煩ぇな…、お前の糞みてぇに長い説教を聞きに来たわけじゃねぇ。で、陣地配置の変更箇所は？」
「長い説教…、そんなつもりはないんだが…。」
そう言いつつ一枚の書類を渡すエルヴィン。それを受け取る。変更箇所の部分には赤い丸が書き足されていて飛躍的分かりやすかった。エルヴィンが変更したいといった配置は後列後半辺り。俺は無意識に眉間の皺を寄せた。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
