深淵の中で手を差し伸べて。:h【リヴァイ】 (ページ35)

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「……っ、き、着替えてきます！」

「ああ。」

慌てて洗面台へ向かったジゼルを見送り、空になった紅茶を片付けていく。窓を開け、換気をすれば新鮮な空気が体を包み込んだ。

暫くして兵団服に着替えてきたジゼルと共に廊下を歩く。兵達の敬礼を手で制しながら到着した食堂では、ハンジがいち早くリヴァイとジゼルに気づき物凄いスピードでジゼルを連れ去っていく。

リヴァイが大きく舌打ちを零しジゼル、ハンジ、エルヴィンが集まるテーブルに行けば目を輝かせたハンジが鼻息荒くジゼルに詰め寄っていた。

「ねえねえ、ジゼル。ジゼルとリヴァイはどういう関係なのっ？！ねぇ、どういう関係！？今日の朝、とーーってもラブラブだったよねぇ、手なんか繋いじゃってさ！！」

「え？え？って、ハンジさん！！見たんですか！？」

「そんなに照れないでよー。見えたも何もジゼルを起こそうと部屋に行ってみればリヴァイとジゼルがこうやって手を繋いでいたんだよ！！おまけにリヴァイのジゼルを見る目！こう…、ホワァンと優しかったんだよ！！」

「こらこら、ハンジ。ジゼルが困っているだろう？それにリヴァイとジゼルの関係性は聞かずとももう目に見えている。」

そう言いながらジェスチャーしていくハンジにジゼルが唾を飲み込む。隣で食事をとっていたエルヴィンが興奮気味のハンジを見て苦笑いを零した。

「えええ！？やっぱ付き合ったんだ！？あああ！おめでとうううう！！！嬉しいっ！私は今とても嬉しいよ！！」

「ハ、ハンジさ……っ！ちょっと待っ……！！」

ジゼルの両手をつかみブンブンと振り回すハンジ。もはやハンジは奇行種と化する。ハンジを宥めようとエルヴィンが動くがそれは無意味に終わった。

「ねえねえ！もしリヴァイが好きだ、とか愛してるとか言ったりしたら直ぐに教えてね！それからそれからっ、リヴァイの意外な一面とか発見したら直ぐに報告して！それをダシにリヴァイをからかってやるんだぁ。くううう、楽しみだねぇ、滾るねぇ…！！」

「……てめぇ、」

「やあ、リヴァイ！居たんだね！チビだからわからなかっ……グッハァ！！！」

「朝からピーピー喚くな、奇行種。」

つかさず自分とジゼルの分の食事を両手に持ったリヴァイがハンジの太股を蹴りあげた。ハンジは机に平伏しそのまま動かなくなった、がリヴァイは目にもくれずにジゼルの隣の席に座る。