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窓側に手をつきながら俺を指さすガキの元へと歩めればガキは破廉恥からなのか目に涙をためたまま俺の行動を見る。
クソ眼鏡のさっきの言葉もあってなのか、俺の心の中の遊び心が顔を出した。ガキの腕を掴み、至近距離まで顔を持っていけばさらにガキの顔は真っ赤に染まる。
「っ、なななななっ……！！リ、リヴァ、リヴァイ…兵士長…っ。」
「おい、仮にも上官を指差すな。」
「へ？え、ちょ、っと…あの、でも、」
「…落ち着け。」
「か、顔が…近いです！」
「ほう…。それは悪い。」
悪いと思っているのなら離れてください、というガキの言葉を無視した。コロコロと表情が変わるのは相変わらずだ。ここに来たばかりの頃も俺を見てコロコロと表情を変えていやがった。
あの時はこいつの表情についていくのに苦労したが今となればそれすらも愛らしく見えてしまうものだから不思議だ。
「……リヴァイ兵士長、いつからいたんですか…？」
不意にガキが俺をみあげる。
「最初から。」
「ええっ？！」
「目立ち過ぎだ。」
「そんなぁ…、」
唇を噛んだガキから手を離して離れるとガキはまだ恥ずかしさが拭い切れないのか手で顔を扇ぎながら深く深呼吸を繰り返していた。わかってる、さっきクソ眼鏡が言った言葉の意味も、自分の気持ちにも、気付いている。
なのに、何故後一歩のところで踏みとどまってしまうのだろうか。こいつの気持ちも分かりきっているはずなのに、兵士長という立場がやけに邪魔をする。
長年、この組織に従順になりすぎてしまったのか一つの物事に対して真っ先に思い浮かぶのは調査兵団組織で。そして次に自分の立場。
ったく、とんだ職業病だ。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
