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ジゼルから視線を少し上にあげれば団長室の窓から身を乗り出しているハンジとハンジの後ろで頭を抱えながらも優しい顔して笑みを浮かべているエルヴィンが居た。
あのヅラ野郎、いつの間に王都から帰ってきやがったんだ、と悪態をつくよりも先にハンジがちゅーしろちゅーしろ、と小声で言っている、が
「……。あのクソ眼鏡、いい加減削いでやる。」
丸聞こえだ。しかもかなり興奮しているのか鼻息が荒い。血眼になりながらリヴァイとジゼルを指さすハンジを睨みあげれば見兼ねたエルヴィンがハンジの首根っこを掴み団長室の窓を閉めた。
やっとこれで静かになる、がいつまでもこいつをこのままにはしておけない。
気持ちの良さそうに膝に顎を乗せ眠っているガキの近くまで歩み寄り、肩をゆすった。
「おい、起きろ糞ガキ。」
「……んん…、」
「…チッ、余計な世話を焼かすな。それに今はまだ勤務時間内だ。眠たいのはお前だけじゃねぇ。」
「……！」
やっと起きたか、という妙な安堵感と共に息を吐き出せばガキの金色が俺を真っ直ぐ見上げる。言葉にならないような言葉を零しながら見つめあう事数十秒。
「…おい、俺の顔になにかついてるか？」
「っあ、わわ！すみません！！」
一体いつからリヴァイ兵士長はいたんだろうか。いや、それよりも、
「…醜い寝顔を……、」
「は？寝惚けてんのか？」
「いえ、そういう訳じゃなくて…。」
「……は？」
醜い寝顔を晒してしまった。しかも人類最強に。申し訳なさと自分へのやるせなさで肩が自然と落ちる。
生温い風と兵達の訓練している声が子守唄となりすぐに眠ってしまったが今は無性に爽快感に溢れている、つまりはかなり眠ってしまっていたという事。軽くなった瞼に触れた。
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
