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「ジゼルってば相変わらずモテモテだねぇ?」
「……チッ。」
これはリヴァイがかなり可哀想だ、と機嫌の悪いリヴァイの向かい側に座った。楽しそうに会話を弾ませているジゼルとレイドの声は嫌でもこちらまで聞こえてくる。壁外調査なのにそれを感じさせない会話になんだか胸が温かくなった。
「青春、だね。うん、とても和む。」
「…あーいうやつは壁外に出て真っ先に巨人の餌だ。」
「あれ?あれあれあれ?リヴァイったらもしかして妬いてるの?」
「……。」
あちゃ、これは図星か、と笑いを堪えるハンジを睨んだリヴァイは不貞腐れたように野菜のスープを飲んだ。
ジゼルもジゼルで扱いにくいリヴァイに戸惑ってるみたいだけどリヴァイもリヴァイで不憫にも見えてきた。
「なあ、ジゼル。壁外調査が終わったら俺と付き合ってくれないか?」
「ブフォーッ!!!!」
レイドの声が聞こえた瞬間野菜スープを豪快に吹き散らかしたハンジとがたり、と席を立ったリヴァイ。
いやぁ、最近の若い子達は行動に出るのが早い、とても早い!感心するよ!と叫びたい所だがハンジは鬼のような形相をして席を立っているリヴァイを見上げた。
いつもなら汚ぇな、と睨まれているところだが今日は違った。物凄く黒いオーラを身に纏い殺気を宿した三白眼でレイドを睨むリヴァイを止めようとハンジは腕を伸ばすがハンジが止める前にリヴァイの足はジゼルの方向へと向いていた。
あちゃあ、可哀想だ……と先程ジゼルに告白してしまった男兵士を憐れむような目で見たハンジは手を胸の前で合わせ何やら念仏を唱えているようだった。躊躇うジゼルを他所に男兵士はさらにジゼルに詰め寄る。
「あのっ!俺、初めて見た時からっ、」
「てめぇ、随分と面白そうな話をしてるな。俺にも聞かせてくれないか?」
「えっ?……ヒッ!へ、兵長っ!」
「おい、そこのマセガキ野郎。壁外調査の前だってのに随分と余裕だな。」
「そ、そそそそそそそんな事は断じて……っ!はいっ!す、すみませんでしたッ!!!!!」
混乱、した。生まれて初めての告白に。
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葉月十香るかこ。(プロフ) - 【ゆゆゆ 様】コメント有難うございます、嬉しすぎるお言葉まで更新意欲が上がりに上がります(´˘`*)リヴァイというキャラクターを崩さずこれからも頑張ります。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 2554dd6fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - つい一気読みしてしまいました。心情の表現やお話の構成がとても好きです!これからの二人の進展がめっちゃ気になります…更新お待ちしております! (2020年4月21日 23時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月18日 14時