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「あ!いたいたー、リーヴァイ!!」
「……」
背後から掛けられた声は紛れもなくクソ眼鏡のもの。一番会いたくなかった人間に絡まれてしまった。
「ねえねえ、どこ行くの?」
「煩ぇな…、見てわからねぇのか。」
トレイを持ち食堂の入り口へと向かうリヴァイの考える事なんてハンジはとっくにわかっていたが敢えて分からないふりをしてにひひ、と溶けそうなくらい頬を緩ませた。
「リヴァイ、見てみて?」
「……あ?」
怪訝そうに答えたリヴァイがハンジの指差す方向を追う、するとそこには1人ぽつんと席に座りながらハンジとリヴァイを見詰めるジゼルの姿があった。
どうやら今からハンジと夕飯を食べるところだったのだろうか。ジゼルの金色の瞳の目が合ったリヴァイは眉を顰める。
「ジゼルと話す時間が折角出来たんだよォ?」
「……てめぇは俺を馬鹿にしてるのか?」
「そんな事ないよー!私は友人の恋慕を手助けしたいだけだよ!!!恋のキューピットになりたいんだっ!!」
目をキラキラさせたハンジをリヴァイは面倒臭そうに見た。だが確かにクソ眼鏡が言うようにガキは明日も忙しいだろう。
新型立体機動装置の作成作業は比較的早い。目標値にも徐々に近づいていってるらしいがそれでも兵士数の新型立体機動装置を作成するとなると相当な時間も体力も必要とされてくる。
不安そうにゆらり、と揺れるガキの金色は疲労の色が滲み溢れていて、……余裕がなさそうにも見えた。
暫く考え込むように目を細めていたリヴァイはハンジの横をとおりすぎジゼルの座っている場所へと向かう。素直じゃないんだから、と肩を竦め笑ったハンジは食堂のおばちゃんから夕飯を受け取りリヴァイとジゼルの元へと向かったのだった。
「おい。」
リヴァイの低い声にジゼルの顔が反射的に上がる。至近距離で目が合えばリヴァイはジゼルの了承なしに向かい側にドカり、と座るとスープをひとくち口に含む。
驚いた様子で瞬きを繰り返したジゼルだがその状況を瞬時に理解したのか嬉しそうに口角を緩ませる。
「リヴァイ兵士長、お疲れ様です。」
鈴のような、心地いい声色がリヴァイの鼓膜を木霊する。透き通るように胸の中に浸透するジゼルの声にリヴァイは小さく頷いた。
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葉月十香るかこ。(プロフ) - 【ゆゆゆ 様】コメント有難うございます、嬉しすぎるお言葉まで更新意欲が上がりに上がります(´˘`*)リヴァイというキャラクターを崩さずこれからも頑張ります。 (2020年4月22日 0時) (レス) id: 2554dd6fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - つい一気読みしてしまいました。心情の表現やお話の構成がとても好きです!これからの二人の進展がめっちゃ気になります…更新お待ちしております! (2020年4月21日 23時) (レス) id: a103d81c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月18日 14時