極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ39)

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「っ…、サン…ズさん…、」

優しそうな目付きでこちらの顔を覗き込むサンズさんの顔を見て、ポロポロと目から堪えていたはずの涙が落ちてきた。

そんな私を見たサンズさんは「うおっ…、まだ触られるの無理だったか…？」と声を上げる。

「っ…、ごめんなさっ…い、…、」

「おいおい、擦るなよ…。人間ってのは眼球が傷ついたら見えなくなるんだろ？」

ポンポンと軽くサンズさんは私の涙を服の袖で拭き取る。

「どうした。なんかあったんだろ。オイラ話なら聞くぜ？」

トスンと私の隣に腰掛けると先程と変わらない優しい目つきでそう言うサンズさん。

「…セリーナから、聞いたんだが…、バグってるオイラからなんかされたんだろ？」

「…エラー…さん…、は、悪くない…です。私が悪いんです…。」

途切れ途切れになる言葉を、少しずつ紡いでゆく。

私は、サンズさんに正直に今まで考えていた醜い内側を晒した。

エラーさんに言われて確かにと思ってしまったこと。

否定できなかったこと。

そんな醜い私の話をサンズさんは黙って聞いてくれた。

「…A……、」

まるで同情でもするような表情でこちらを見つめるサンズさん。

同情してくれるならば、私をその骨で貫いて欲しい。

もう二度と、こんなことを考えてしまうような人間が存在しないように。

セリーナさんの邪魔にならないように。

サンズさんは私に近づくと、ギュッと私を抱きしめる。

「っ…、サ、ンズ、さん…？」

ポロポロとさらに涙が目から溢れ、頬をつたい落ちてくる。

私よりも小柄だと思い込んでいたその体は、私を包み込んでしまうほど意外にも大きなものだった。

骨である彼には体温は無いはずだが、心做しか温かく感じるような気がする。

「溜め込むなよ。泣きたいなら泣け、俺が全部受け止めるからな。」

そうウォーターフェルのキラリと輝く宝石の埋まったこの空間に、サンズさんの心地よいほどの低音の声が響く。

何故…、彼はここまで私に対して優しく接してくれるんだ…。

そう思いながらも私は声を上げながら泣いた。

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