極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ22)

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「な、なんだ？もう決心ついたのか？？」

そう目を擦りながら言うエピックさん。モンスターはどうか知らないけど目擦ったら目が悪くなるよ。

「ギャル文字で呼び出されたので…、つ、着いてきてください…怖いんですよ…。」

「お、おうおう。着いてくからまずはポータルでしばらく寝さしてくれよBruh。」

さっき私に(強制的に)起こされたわけだから、眠いのだろう。

「いいですよ。永眠して大丈夫ですからね」

「…それ意味わかって言ってるか？Bruh」

「えぇ。ジョークです。」

冗談を言いながらポータルを開いて中にエピックさんを押し込む。エピックさんは「おいおい、オジサンなんだから優しく扱えよBruh」と何かほざいてるけど無視した。

「おやすみBruh。起こすなよ。」

「はい。異常が起こったら起こします。」

エピックさんは「ほーい」と返事をすると、さっきまで着ていた紫と黒の上着をポイッと近くに脱ぎ捨てて寝転がった。

だらしない…。まあ、それだけ疲れていたんだろう。

エピックさんが起きるまで何して暇潰そうかな…。

…せめて上着は畳んでおこうか。

そう思いエピックさんの近くに脱ぎ捨ててある上着を手に取る。

「…！わ、なにこれ…。」

上着を手に取った瞬間ふわっとチョコチップクッキーの甘くいい匂いだ漂った。

上着に匂いが染み付くくらいクッキーを食べているのだろう。てことは、気づいてないだけでもしかしたらバタースコッチシナモンパイの匂いが私の服にも…？

すんすんと自分の上着の袖を嗅いでみる。

トリエルさんの体毛と同じような香りがするそれに混じって柔軟剤のフローラルな香り。

おいおいちょっと待て自分、そもそもバタースコッチシナモンパイの香りなんてついてるわけないじゃないか。なんせそんな毎日食べてるわけないから。

ついているとしたらチョコレートの香りだろう。

それにしても、エピックさんのチョコチップクッキー愛はすごいな。服に香りが着いてしまうほど…か。

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