＊9話＊ 空中ドライブ！ ページ9
こ、怖い…。
高所恐怖症ではない私でも崖ギリギリは恐怖を感じる。
足がすくみそう。
ま、まぁ早く夢から醒めないといけないし…。
そう思い、意を決して飛ぶ。
しかし、いつまで経っても目は醒める事はなく、代わりにどんどん地面が近づいてるような…。
飛び降りする人ってスローで落ちていくって聞くけど、あれ本当なんだ。
そんなことを考える余裕があるわけでもなく、一周回って落ち着いてるというか。
───────死ッ…。
「A！」
「っ！」
私の背中と膝裏に回っている手。
ゆっくりと目を開けると、そこは地獄でも天国でもなく、抜けるような青空。
そして、燃えるような赤目の少年。
助けてくれたの？超ありがたい。
本気で死ぬかと思った…二度と高いところには行かない。そう強く心に誓う。今日から私は高所恐怖症だ。
そう言えば、何で助けてくれたの？
ギュッと彼の白いカーディガンを掴んでチラリと下を見ると、そこには絨毯が。
えっ、嘘私空飛ぶ絨毯に乗ってるの？
これは知ってるよ。童話で読んだ。
でも夢じゃないことはさっきのことでわかってる。
「ありがとう」と小さく呟くと、彼は私を絨毯の上に下ろす。
「間に合って良かったぜ！もし俺が間に合わなかったら、今頃ペチャンコだからな！」
「ははは」
「それより、なんであそこから落ちてたんだ？」
声色が変わった。
顔を上げると、先ほどまでの人懐っこい顔ではなく鋭い顔で私をジッと見つめている。
どうしよう、言えない。寝て起きたら異世界でした、なんて。
でも死にたくなったなんて彼は許さないだろうし…。
私は咄嗟に崖に咲く花を見つけた。
「あの花が欲しかったんだけど、取ろうとしたら足を踏み外して…」
「あぁ！そうだったのか！俺が取ってやる」
「掴まっとけよ」と言った彼の言う通り、しっかりと腰にしがみつく。絶対落とされたくない。
彼は岩の隙間から覗いている透明な花をプチッと手折り、私に手渡した。
いや、ほんとに綺麗だなこの花！
水晶でできていると言われても信じるだろう。それほど透明で、綺麗。
手折ってしまうのも、少しもったいないかも…。
「やるよ！」
「え、良いの？」
「そのために摘んだんだ！それに花もAに持っていて貰えば、一層綺麗になるからな！」
キラキラして見える。眩しい。
「よく似合ってる」
そう言って笑った彼の笑顔は太陽みたいだ。
柄にもなく赤くなった私の頭にポンポンと手を置いて、彼はこのまま少し空中散歩をしようと提案する。
勿論OKした。空飛びたいもん。
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松々先輩(プロフ) - マチさん» ありがとうございます！！私も明晰夢見たことないんですが、妹が見たことあるらしくて…自分の思い通りの夢ってめっちゃ羨ましい…！コメントありがとうございました！！ (2020年7月24日 13時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
マチ - 面白いぃぃぃぃぃ!!えっ明晰夢見てみたい((( (2020年7月24日 2時) (レス) id: 9256472735 (このIDを非表示/違反報告)
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