＊29話＊ 夜空ミステリアス！ ページ29
「だからあれは自己満足で、感謝されることじゃ…」
「じゃあ言わせてもらうけど、私の感謝するしないも私の勝手よ？だから私はあんたに感謝する」
…私の論理で言うと、そう言うことになるんだよなー…。
分が悪そうな顔をしていたのか、ヴィル先輩は笑って「じゃあこうしましょう」と私に提案する。
その提案というのは、ここの飲み物代は私が出すと言うもの。
むしろそれで良いんですか…？さっき買っていただいたアクセサリーよりだいぶ安いですけど…。
でもヴィル先輩は「今日はありがとう」と寮の前まで私を送ってくれたし、最後に「楽しみにしてるわ」なんて言い残してくれた。
始終エスコートが完璧だった…。
まだフワフワした気分の中鍵を閉めると、そこに広がるのは信じられない光景だった。
……あの、なんでここにいるの？
「カリム…」
ジャミルはどうしたの？
まさか置いてけぼりにしたんじゃ…。
「どうしたの？」と心を落ち着かせて聞く。オンボロの寮だけあってカリムのキラキラの衣装が見ていてミスマッチ…。
私の寮なんかに来なくても、スカラビアはキラキラであっちの方が似合ってるでしょ？
噂に聞くとカリムはあのアジーム家の長男だと言うじゃないか。そんな人がお付きもなしに、と思っていたが、ジャミルのバイパー家はアジーム家に代々仕えている使用人だとか。
そう言えば私も良家の娘だと聞くけど、お付きの人とかいなくて大丈夫なんだよね？殺されない？アサシンとか怖いんだけど私。
ところでホントに、どうしようこの状況。
「どうしたの？」
「あぁ、Aを絨毯に乗せてやろうと思ってな！」
「だからジャミルがいないの…」
確実に怒られるもんね、勝手に空飛ぶのは。しかも家宝で…。
前回は助かったけど今回怪我する可能性もあるしね。私カリムのこと信用してるよ！
ところで
キョロキョロとあの悪戯好きの絨毯を探すと、「ここにはいないんだ！」と言ったカリムは私の手を引いて二階へ上がっていく。
ついたのは私の部屋。
…あっ、部屋の窓の鍵閉めるの忘れてた。もしかして…。
ギィッと開かれたドアの向こうでカーテンがサラッと風に揺らされる。
夜空で宝石のように星が瞬いている。ベランダに出ると、欄干より向こうに浮かぶ絨毯。
これ、こんなのまるで…。
「お伽話みたい…」
「A！こっちへ」
「落ちない？」
「俺に掴まっていれば大丈夫だ！」
カリムの差し出した手を取って、絨毯に一歩を踏み出した。
＊30話＊ 星空フライング！→←＊28話＊ 本音トーキング！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 275人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - マチさん» ありがとうございます！！私も明晰夢見たことないんですが、妹が見たことあるらしくて…自分の思い通りの夢ってめっちゃ羨ましい…！コメントありがとうございました！！ (2020年7月24日 13時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
マチ - 面白いぃぃぃぃぃ!!えっ明晰夢見てみたい((( (2020年7月24日 2時) (レス) id: 9256472735 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
