＊27話＊ 完璧エスコート！ ページ27
今日はこの前言っていた、ヴィル先輩とデートする日だ。
学園の外に仕事以外で出ないから、ちょっと気になってたんだよね。
日記には“いたずら専門店”の毒りんご飴が美味しいって書いてあったし。食べてみたいな。
毒リンゴって大丈夫なのか若干心配ではあるけど。
待ち合わせの場所で待っていると、「あんた早いじゃない」とキラキラオーラのヴィル先輩が近づいてきた。
先輩も早いですね、まだ30分前です。
「あれモデルのヴィルさんじゃない？」「隣にいるのもモデルのAちゃんだよね！」とか言ってるそこの女子！私たち今オフだから話しかけないでね…。
仲良いんだー、とか聞こえる…私たち同じ学校だから。
「それじゃあ行きましょう」とヴィル先輩の腕を引くと、「焦らなくても大丈夫よ」と呆れたように笑う。顔面国宝…。
まさに美の具現化。ヴィル先輩はエスコートまで美しかった。
自然と車道側を歩いてくれるし、「これ似合うんじゃないかしら」と言ってアクセサリーも買ってくれるし、「この服どうですか？」と言う質問には完璧な答えを返す。
ヴィル先輩の彼女さんはさぞかし羨ましがられることだろう。
「今日は沢山奢ってもらっちゃって…すみません…」
休憩で入ったカフェでココアを飲みながらヴィル先輩にそう言うと、爪を見つめていたヴィル先輩は「あら」と顔を上げる。
ヴィル先輩…そんなに爪を見なくても、ヴィル先輩の爪はお綺麗ですよ…。
私も手入れとかしたほうがいいんだろうか、と自分の爪を見て自分が女神族であることを思い出した。手入れ不要…。
「あんたそんなこと考えてたの」とでも言いたげな目で私を見つめるアメジストの瞳と目が合った。
だって今日はいろいろお世話になったし…休日は自分の美容のために動きたいであろうヴィル先輩にこんなおしめの取れていない後輩のお世話なんて…。
あっ、比喩表現ね、比喩。
そう言うと、ヴィル先輩はクスクスと鈴のような笑い声を上げる。
「お馬鹿ねぇ。これは昨日助けてもらったお礼。それに先輩が後輩に奢るのは当たり前でしょう？」
「でも…」
「あと、“すみません”なんて聞きたいわけじゃないわ」
「ね？」と言って微笑んだヴィル先輩の美貌で世界が救えると思った。(感想文)
「ありがとうございます！！」と叫ぶと、「お馬鹿！」と口を塞がれる。
あぁ、ごめんなさい…周りの人が白い目で私を見ている…。
「あんたが人を褒めるなんて、珍しいこともあるじゃない」
「そうですか？」
「そうよ。でもまさか、あんなこと考えてたなんてね」
…なんか恥ずかしいな。
＊28話＊ 本音トーキング！→←＊26話＊ 堂々プロテスト！
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松々先輩(プロフ) - マチさん» ありがとうございます！！私も明晰夢見たことないんですが、妹が見たことあるらしくて…自分の思い通りの夢ってめっちゃ羨ましい…！コメントありがとうございました！！ (2020年7月24日 13時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
マチ - 面白いぃぃぃぃぃ!!えっ明晰夢見てみたい((( (2020年7月24日 2時) (レス) id: 9256472735 (このIDを非表示/違反報告)
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