＊16話＊ 不承エゴサーチ！ ページ16
名前…監督生くんの名前。
誰か呼んでいた人はいるだろうか、と考える。
(…みんな“監督生”って呼んでるじゃん)
詰んだと言う表現がピッタリと当てはまっているであろう私の脳内。
みんな名前は知ってるけど監督生って呼んでるの？
絶対にないだろうけど、監督生って呼んでみようかな…なんて考えに至る。
「監督生くん？」
「ち、違います！」
うん、知ってるよ。違うよね、わかってるんだけど。
いかんせん名前がわからないんじゃどうしようもないって言うか。
困ったような顔を浮かべてみる。ホントに困ってるからね、私。
すると、監督生くんは困り顔を見て悲しそうに俯いた後、「無理言ってすみません」と謝った。
それになんだか罪悪感のようなものが芽生える。
ここで別れたら、あんまり後味よくないよね…でもなぁ。
逃げ出してしまいたくなりながらも頑張ってこの場に留まる私って結構優しいんじゃないかなって。
名前さえわかったらすぐに呼んであげるんだけど。
「ユウ〜、コイツ超困ってる顔してるんだゾ？あんまり困らせると後が怖いからやめるんだゾ」
「…ん？」
「そ、そうだよね、ごめんなさいA先輩！」
ちょっと、今グリム、監督生くんの名前呼んでなかった？
“ユウ”って言ってたよね？言った！！
諦めてオンボロ寮の扉を開き、中に入ろうとしている監督生くんの袖を引っ張る。
下から顔を覗き込めば、驚いた顔をしてこちらを見た瞳と目が合った。
前髪で顔が隠れてるけど、なかなかの美形だ。
──────そうだ、名前…。
「あっ…ゆ、ユウくん！また明日！」
「！は、はい！！」
あら、顔真っ赤にしちゃって可愛い〜。
バタンッと勢いよくしまった扉を暫く見つめた後すぐ横にある自分の寮へ足を向ける。少し顔を覗かせていたあの白いの…学校中にいるゴーストと言うやつだろうか。
私1人しかいない寮って言うのも寂しいけど、ゴーストがいる寮も嫌だなぁ。
そうだ、しっかりノートにまとめなきゃ。
───────なんかなぁ…。
寮の部屋に戻ってベッドに寝転がる。
スマホを取り出し、“A モデル”で検索するとかなりのヒット数。
なんかエゴサしてるみたいで気に食わないな、と思いながらも自分を知るためにネットサーフィンをしていく。
どうやらアンチもいるが、ほとんど女子の妬みとからしい。
スリーサイズまで流出してんの恥ずいな。
昨日の晩お風呂入る時自分が隠れ巨乳なのに気付いたけど、スリーサイズ出てるんだったらもうサラシで潰す必要ないな。
＊17話＊ 牽制クイーン！→←＊15話＊ 同情フィーリング！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 274人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - マチさん» ありがとうございます！！私も明晰夢見たことないんですが、妹が見たことあるらしくて…自分の思い通りの夢ってめっちゃ羨ましい…！コメントありがとうございました！！ (2020年7月24日 13時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
マチ - 面白いぃぃぃぃぃ!!えっ明晰夢見てみたい((( (2020年7月24日 2時) (レス) id: 9256472735 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
