＊15話＊ 同情フィーリング！ ページ15
「キッシュとても美味しかったです。ありがとうございました」
「こちらこそ、誘ったのにあんまり構ってやれなくてごめんな？」
「そんなことないですよ」と笑って返す。
寮にはそれぞれ伝統があるらしく、それに私はかなり誘われているようで。
今後は参加するのも良いかもしれない。名前も聞き出すことができるし。
ここ“ハーツラビュル寮”の伝統は、『なんでもない日のパーティー』。
色んな色のフラミンゴやハリネズミでクロッケーをするのは遠慮したけど、なかなか楽しい時間を過ごせたと思う。
それに私がハーツラビュルで関わっていた人を全員知れたって言うのは、大きな成果だ。
まずハートの赤毛くんの名前はエース、1年生。
同じく1年生のスペード、デュース。
2年で寮長を務めるリドル。その幼馴染で、3年生の副寮長であるトレイ先輩と、同じく3年生のケイト先輩。
よしよし、覚えてるな。
「それじゃあ監督生くんは、私が責任持って寮まで送り届けます！」
「え、普通逆じゃ…」
「良いのよ、あなた魔法使えないんでしょう？」
…あっ、また賭けに出ちゃった…。
もしかしたら使い魔のいる珍しい人なのかもしれないのに。
声に出してから他の選択肢を見つけるのは私の悪い癖だろうと思う。
しかしどうやら私の読みは当たっていたらしく、「良いんですか」と監督生くんは話に乗った。
帰って色々することができてしまった。まずはモデルとしての私について調べなければいけない。
背が低いのにモデルをやれてるってことに驚くんだけど、それよりも私は私服がダサいと定評があったことに驚いている。
モデルってみんなオシャレなわけじゃないんだ。私が特例なのかもしれないけどさ。
「送ってもらってありがとうございます」と言う監督生くんに笑いかける。
君の住んでるとこ私のとこよりオンボロだったあそこでしょ、同情心で送ってあげる…。
それに動物は好きだし、この猫なのかなんなのかわからない魔物の耳をもふりたいです。
「今度お茶しようね、それじゃ」
「あっ…あの！」
「？」
オンボロ寮の前まで送って別れる直前、監督生くんが私を引き止める。
不思議に思って振り返ると、グリムも不思議そうな顔で監督生くんを見つめていた。
予想外。そんな顔で。
でも監督生くんは言いにくそうに一度口を開いたが、またそれを閉じて私から視線を逸らす。
「どうしたの？」と一度声をかけると、小さな声が返ってきた。
「名前で、呼んでほしいな…なんて、ダメですか」
＊16話＊ 不承エゴサーチ！→←＊14話＊ 情報コンフュージョン！
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松々先輩(プロフ) - マチさん» ありがとうございます！！私も明晰夢見たことないんですが、妹が見たことあるらしくて…自分の思い通りの夢ってめっちゃ羨ましい…！コメントありがとうございました！！ (2020年7月24日 13時) (
レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
マチ - 面白いぃぃぃぃぃ!!えっ明晰夢見てみたい((( (2020年7月24日 2時) (レス) id: 9256472735 (このIDを非表示/違反報告)
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