9話 ページ9
side 治
最初はただただ美人やなあって感想だけやった。
教室の中でもあまり目立ってる印象もないそいつに俺が惹かれてたんは、ケバい女ばっか寄ってくるからやと思っとる。
顔はええし、空気も読める。ただカーストのトップにおりたいだけの女ちゃうってのもわかった。
隣のツムのクラスに友達がおるらしくて、休み時間はいつも隣の教室へ足を運んでるのも知った。そのせいでツムが好きとか言う噂あるんは後から知ったけど。
あらぬ噂を立てられたからか、彼女がツムをあまりよく思ってへんのも。
廊下ですれ違う度にふわっと香ってくる香水でも化粧でもない匂いと、クラスでは滅多に見せへん花が咲いた様な笑顔。めっちゃ気になった。
ただ、その興味は“好き”とか言う感情やなくて、“俺たち双子に興味がない女”への興味やと思う。
「なぁ、俺のクラスの高嶺の花…どう思う？」
「あー…なんかおるな、俺狙いとか聞くで」
「…そうなんか」
なんやお前、気になってんのか？と言うツムにちゃうわ、と返す。
こん時なんでAのことを聞いたんかは、あんまりわかれへん。ただ気になっただけや。
あの子がツム狙いなんかそうじゃないんかは確証がなかったから否定せんかった。
「それで？もし好きやとして、告白されたら付き合うん？」
「はっ、ないわ。高嶺の花とか言われて調子乗ってる女」
…調子乗ってんのかなぁ。
確かにあんだけクラス内で話される話題に自分の名前登場すれば気になるよなぁ…。
否定せんのはイキッとるってことなんやろうか。なんかちゃう気するけど。
そんなことを考えている時合宿にあの子がマネとして参加することになったんを知った。
本性暴いたれ、とか思っとったんがアホみたいや。
めっちゃええ子やん、メシも美味いし。
それから同じクラスということもあって仲良くなった俺たちは、結構つるむようになった。
ツムとはあんま話してへんかったけど、俺とはよぉ話す。恋とか、あわよくばとか言う目で見てこーへんAとおるときは楽やった。
そして俺らは普通に高校を卒業して、大学に進んでからはAとは会わんようなった。
何してんねやろ、とふと思い出した時に思うけどこっちから連絡する勇気ないし、別に元カレでもない男から突然連絡きて“今何してんの？”なんて聞かれたら引くやろ。
と思ってた時に、Aからの電話がかかってきた。
働いとった会社が倒産して、俺に養って欲しいらしい。
高校生活が戻ってきて欲しかったんかもしれへん。
俺は二つ返事でOKした。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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