20話 ページ20
同窓会から1週間が経って、既に同窓会の余韻は消え去り、アタシ達は日常を取り戻していた。
帰ってくんなって感じやけどな、日常。
料理は好きやし宮の美味しそうな顔見るのも好きやけど、やっぱりあの量を一人で作るのは大変や。
ふぅ…と溜息を吐いて火加減を調整する。
そう言えば、なんか同窓会後宮めっちゃ不機嫌やったけど…なんか言われたか、嫌いな奴でもおったか…まぁどっちにしろアタシには関係ないな。
アタシの仕事は“宮の食料確保”やし、あんま干渉することない。
そう思いながら鍋をかき回していると、ガチャリと玄関のドアが開く音が聞こえた。
あ、宮帰って来たんか。
「宮、お帰りー。もうちょいでご飯できるから座っといて」
「ん」
「？」
…なんか不機嫌やなぁ。
なんかあったんかな…。
そう思うけど、宮はご飯食べたら機嫌良うなるし、早よご飯作って出そう。
できたで、と言ってご飯を出しても宮の不機嫌は治らんかった。
え、マジで？宮がご飯で機嫌取れへん…どうしたらええんや。
驚いたけどとりあえず風呂に入れることにする。
人間これで大概の機嫌は治るはずや。
それでも、上がって来た宮はいつも少し下がっとる眉毛をひそめて、眉間にシワが寄ったまんまやった。
しゃあない、直接聞くしかない。
もしかしたらアタシが邪魔になって来たんかも知れんし…追い出される前に次の食いぶちを探す必要あるから。
「み、宮？なんか不機嫌やな、どないしたん？」
「は？なんも不機嫌ちゃう」
「不機嫌全開やん…」
宮普段そんなイライラしてへんやろ。
確かに片割れとおる時は喧嘩多かったけどやな。
ジッと宮を見つめていると、宮は私を見てちょいちょいと手招きする。
聞かん方がええな…。
大人しく宮の方へ行った私を、宮は自分の足の間に座らせる。
…ごめん、全然意味わからんねんけど。
何？これどう言う状況？
おまけにお腹に手を回して抱きしめて来た。
アタシの命日今日かな…。
こんなん、宮兄弟ファンに見られたらアタシ殺されるで？命縮まるん嫌やねんけど。
「宮…ホンマにどないしたん？なんかあったん？」
「…なんやねん、最初約束したやん」
は？何を？
なんか約束したかな…と首を傾げていると、耳元でボソボソと静かに息を吐く宮。
そこで話さんといて、なんかぞわぞわする。
「癒す、て言うとった」
「あぁー…」
確かにそんなこと約束したわ…。
同窓会からずっとイライラやな…と思っとったらやっぱなんかあったんやな。
…ちょっと、心臓うるさいんやけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1094人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
