35話 ページ35
宮と付き合い始めて、数週間が経った。
なんか知らん間に付き合っとった身としては、あんまり実感ないけど。
それに宮って、あの子が好きなんちゃうん？ほら、あの…清楚そうな子。
せやのに、アタシと付き合ってるん？
いや、あの子が好きっていうのは誤解な可能性も…。
それにしても、宮がアタシのこと好きやとは思われへん。そんな素振り一切ないし。
「宮〜、起きや、朝やで」
「んん…今日休みやねんから、もうちょい寝かせてや〜…」
今何時やと思てんねん！と掛け布団を剥ぎ取って喉の奥から絞り出したような低い唸り声で、ベッドから出たくはないと抗議をする宮を引きずり下ろす。
空は快晴、こんなええ日に布団干さへんとか損やで。
まだ覚醒してへん宮に朝ごはんを出して布団を干すと、道ゆく人と目が合った。
「Aちゃんは働きもんやなぁ。最近宮くんとはどう？」
「あ…えっと、お付き合いさせてもろてるんですけど…一応」
「あらそうやったん？かわええカップルやねぇ」
そう言ってニコニコ笑うおばちゃんに、一丁前に照れて返事を返す。
ところで、と話を変えるおばちゃんの言葉に耳を傾けると、赤ちゃんは何時ごろなん？とニコニコ顔でとんでもないことを言われてしまった。
ん？アカチャン？
「え、っと…そういうことは、まだ…えっと」
「あらそうなん？楽しみにしとるからね〜」
「あはは…」
結婚ちゃうねんおばちゃん。
ピシャリと窓を閉めたアタシにどないしたん？とコーヒーで目を覚ました様子の宮が話しかけてきた。今の話、してええんかな。
アタシは別に、と下手くそに誤魔化す。
それにしても、確かにおばちゃんの言うような恋人らしいことは一切しとらん。
これは付き合っとると言えるんか？
そんなことを考えながら1日を過ごす。
朝宮を起こして、朝ごはんを食べさせて家事をする。そんで、帰ってくるまでにいろいろ終わらせたあとは、帰ってきた宮に晩ご飯を出して明日の用意もしたあと、就寝…。
これやったらなんも変わってへんやないか！！付き合わんでもそれくらいするで！
付き合う前に“同棲期間”を挟んでしまったからか、アタシの感覚がおかしなっとるんか。
順番間違えたんやアタシら…距離感掴めへんし、どうすればええん。
でもさ、ひとつだけ言えることあるんやで。
「この距離感は恋人の距離感ちゃうねん！！」
『あぁ…そう。まぁ付き合う前の変な期間が問題じゃない？』
「それが問題やねんて。明日話するからそん時にでも」
困ったときのスナやな、やっぱ。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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