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126話 ページ35

そいつ誰だよ、と言ったまま黙る高野。
え?何?そいつ?

浅川くんのこと?


「あ、浅川くんは悪い人じゃないよ…?」
高野「男はみんなオオカミだから…」
「それ美原にも言われたなぁ…」


やっぱり私は人より危機感が何倍も薄いんじゃないか。

別にいいじゃないか。
人間になったんだ。理性がある。

本能で生きている動物だからこその危機感じゃないか。

いいんだこれで。


自分でそう自己解決し、テレビを消した。


「もうそろそろ帰ったら?明日も早いんでしょ」
高野「…俺、もうちょっとお前んちにいたいな…」
「何言ってんのよ」


ほら帰った、と玄関まで高野の背中を押していく。

渋々と言ったように歩いていた高野は、飯うまかった、と言い残して出て行った。


「……」


……案外、楽しかったな…。


静かになった家の中でそう考えた。
悔しいから絶対にあいつには言ってやらないけど。


後片付けでもするか……。


そう思って踵を返そうとすると、ガチャリと扉が開く音がする。

咄嗟に振り返ったそこには、息を弾ませる高野が。


「え、ちょ、どうしたの!?そんなに焦って…なんか忘れものした?」
高野「はっ…はぁ、言い間違えた……俺、もうちょっとだけ、お前と一緒にいたいな……」


その言葉にどきりと胸が熱くなる。

顔を上げた汗だくの高野は、私の顔を見るなりニッと幼い笑みを浮かべる。


「…思わせぶりなこと言って、誤解されても知らないわよ」


お前だけだよー、と息を整えつつ言う高野の言葉には耳を傾けない。
そうでもしないと、本当に好きになっちゃいそう。


もう少し一緒にいましょうか、と笑えば、やりぃ、と笑い返される。


あーあ、やっぱりこいつらといると楽しいなあ……。


高野「そういや隣青柳なんだって?」
「え?うん、そうだけど」
高野「さっき青柳の家の中に朝田が入って行くのが見えたんだよ」
「…朝田君?」


え、家ここら辺なの?

いや、そんなわけないじゃん?
だって朝田君の家はあの曲がり角で分かれて私とは反対方向なはずじゃない。


じゃあなんでここに朝田君が?


「本当に朝田君なの?見間違いじゃない?」
高野「いや、あれは朝田」


何を根拠に……と思うが、この真剣な顔を見る限り嘘は言ってなさそうだ。

だって朝田君、ここに来る理由がないもの。
青柳君と面識があるようにも思えないし…。


「……何か、ありそうよね」
高野「突撃だな」
「はい?」


今なんと?

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松々先輩(プロフ) - ふーあさん» 時間かかると思いますがわかりました!! (2019年11月24日 18時) (レス) id: 5d2671fec1 (このIDを非表示/違反報告)
ふーあ(プロフ) - 2回目のリクエスト失礼します…主人公の兄弟との絡みも見てみたいです! (2019年11月24日 11時) (レス) id: 75ae983ccf (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 山口到和さん» え!?どこですか!?誤字ですか!? (2019年4月1日 18時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
山口到和 - 逢えるかかな? (2019年4月1日 8時) (レス) id: 9a42429598 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!! (2019年3月22日 10時) (レス) id: 87a69031e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松々先輩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年9月8日 0時

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