いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ12)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:90,043 hit

１０５話※ ページ12

「い、飯島…くん…？」
飯島「ね、ちゃんとAちゃんより力もあるし」

そう言って腕を掴んで壁に押し付ける飯島くん。
飯島くんじゃないみたいで少し怖い。

え、え、飯島くん？

飯島「ねえわかってる？今ここで、Aちゃんのこと襲うことだってできるんだ」
「ッ…やめて、飯島くんっ…！」
飯島「……なーんてねっ！ごめんね、驚かしちゃって。あまりにAちゃんに危機感がないみたいだからさ、からかっちゃった」

パッと手を放す飯島くん。

少しまだ痛い手首。
飯島くん、どうして……。

飯島「Aちゃん、凄い手慣れてそうだから…こう言うこと慣れてないの？」
「なっ…し、失礼だな…したことないよそんなこと！」

慣れるとか以前の問題ね！

「飯島くん……」
飯島「ん？」
「…ちょっと、怖かった……」
飯島「！Aちゃん……ごめんね…」

そっと頭を撫でる仕草がさっきとは違ってずっと優しくて、それにもドキッとしてしまう。

飯島くんも健全な男子高校生なんだもんね、当たり前か…。

飯島「じゃあタオル畳めたし戻ろっか」
「ぁ、ぁっと、飯島くん！」
飯島「ん？何？」

籠を持って振り返った飯島くんを見上げて、口を開く。

不思議そうな顔をした飯島くん。

「あ、あのね、私ちゃんと危機感はあるよ？」
飯島「……そう言うことじゃないんだけど…まあいっか…」

そう言うことってどう言うことだろう…。

今度誰かに聞いてみようかな。

そう心に決め、とりあえずタオルを届けた。

潮「……飯島の匂いがする」
「え？」
潮「別に」

潮くん鼻良すぎじゃない？

感心していると、ん？と顔を歪める。
イケメンが台無しだよ。

河瀬「あーぁ、なんかこう、思うよねー」

選手の上着を畳んでいると、河瀬先輩が何か言い始めた。
ちなみに今は自由練習の時間だ。マネは残って洗った上着を畳んでいる。

何を思うんだ、と言う顔をしながら自分の学校の上着をせっせと畳むマネの貫禄は凄い。

河瀬「……すっげー美人が俺の学校に転校してこないかなぁ…って。まあ男子校だしありえな……」

そこまで言って私を見るマネさん。
……うん？確かに私はそんな少女漫画的なあれだけど。そこまで良いものじゃないマジで。

「……な、なんですか？」
飯島「ほら、良い例がいますよ先輩」
風花「…美人だし、男子校に通ってるし、良いんじゃない？」
「え？」
河瀬「葉桜に転校しない？」
「しません」