いや、私女子なんだけど。［３］ (ページ30)

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１２１話ページ30

「ふぁっ…？」
青柳「ん…」

え？あれ？
なんで映画終わってんだ？

見ていたラブストーリーが消えた。まさか…私、寝た？嘘。

「……二人とも寝てて覚えてないなんて、そんなことある？」
青柳「しかも覚えてるところまで一緒って言うね。寝るのになんで映画なんか」
「映画を見てると寝ちゃう癖を直さなきゃって思って…」

直せてないじゃん、と言ってコーヒーを一口飲む青柳くん。
おっしゃる通りで…。青柳くんは私についてきただけだしね、私が寝ちゃ、元も子もないわよ。

もう内容すらわからない。やばい。

「私、誰かと映画館行ったの初めてだから、楽しかったよ」
青柳「………寝てたくせに」
「うぐっ…そ、それはっ…」

寝てたのはつっこまないでよ…。
言葉に詰まっていると、ふ、と優しく微笑む青柳くん。さっきもこんな顔見たぞ。相変わらずイケメンで。

やっぱりイケメンって得だね、羨ましいわ。

「あ、ところでさっき美男美女って言われてたね！嬉しいねぇ」
青柳「…あと、お似合い、ともね」
「えっ…」

お似合い！？私が！？何となく申し訳ない！

そんなこといわれてたの！？と青柳くんに詰め寄ると、ん、と頷く。なんかごめん。

申し訳ない。頭を下げれば、別に嫌じゃないし、となんだかあたりが柔らかい気がした。

「じゃあ、今度は青柳くんの行きたいところ！どこ行く？」
青柳「えっ、別にいいよ…」
「ダメだよー、なんか私が付き合わせてるみたいで嫌！ってことで、青柳くんに私を振り回せる権利をあげる！」

そう言うと、青柳くんは吹き出した。
何やら面白いことがあったらしい。

青柳「振り回せる権利か…柏木とか美原あたりが欲しがるだろうね…」

なにしてもらおっかな、と愛おしそうな目で私を見つめる。
その顔が凄く優しそう。

…………ん？愛おしそう…？

青柳「…じゃあさ、服選ばせてよ」
「え…？なんで服？」
青柳「俺、結構センスあると思うけど…」

ほんとかなぁ…と疑っていると、俺の父さんデザイナーだし、と驚きの発言。まさか…ブルーウィロー…？

ブルーが青でウィローが柳だろ！うわぉ。

あの超有名ブランドにイケメンの息子がいるとは聞いてたけど、まさか青柳くんだとは…。

なんか凄い。と言うか純粋に凄い。

え、凄くない？

じゃあ行こっか、と私の手を取る青柳くん。
紳士的対応に心奪われそうだ。

お前らも見習えよ、おい。

そのあといっぱい服買った。