いや、私女子なんだけど。［２］ (ページ9)

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５６話ページ9

紅士「蒼葉が言ってた通り、可愛い顔してるね。今度うちのクラブ来ない？きっとみんなこぞって君に指名されたがると思うな。あ、でも君は俺を指名してね？」

真っ先に駆けつけるから、とウインクする柏木のお兄さん。

No.1ホストだっけ？流石。

あ、乗る？と言って助手席を開けた紅士さん。
失礼します、と頭を下げ隣に乗り込む。

あ、やば、いい匂いした。

シートベルト絞めた？と訊いてくる紅士さん。
はぁ、と返せば、じゃあ出発ー、と車を発進させようとする。

え、待って柏木乗ってないけど…。

ちょっ、おい兄貴！！！と後ろから聞こえてくる。
え、めっちゃ走ってる…。

私の横で併走するなんていう人間業を軽く越したことをしてようやく柏木は雨地獄から開放された。

柏木「おい兄貴？俺を殺すつもりか？」
紅士「え？なんの話？お前こそ俺とAちゃんのデート邪魔しないでくんない？」
「で、デート？」

喧嘩しないでー……処理に困るぅ…。

デートした覚えないですけど…と言うと、じゃあ正式にしてみる？とバックで車を駐車する紅士さん。
……ん？

「な、こ、どっ」
紅士「ココは俺の働くホストクラブ。俺まだ指名残っててさ☆」
柏木「仕事片付けてから来いよ……」

仕事…？

あ、ちなみに横のキャバクラは黄華のとこな、と指を指しながら階段を上っていく紅士さん。

黄華……？

柏木「…姉貴。さっさと行くぞ、ほら」

お姉さん？

柏木に背中を押され、紅士さんの後を追う。
…ドア越しからキラキラオーラが滲み出てるんだけど。

紅士さんが開けてくれているドアから中を除くと、いらっしゃいLady、とにこやかなイケメン達が。

……私なんかがいていいんだろうか？

「あぁああぁあの、わ、私なんかがココにいていいんですか？なんかキラキラして眩しいんですけど…」
紅士「あはは、Aちゃんは可愛いね。大丈夫だよ、控え室で待ってて？」
「ひぇっ…は、はい」

ほら蒼葉、お前も、と二人一緒に奥の部屋に押し込まれる。
ひぃっ…部屋の中もキラキラだ……。

柏木は慣れた様子で近くの座れば沈んで埋もれていくのではないかと思われるソファーに腰掛けた。(私もあとに続く)

すると、私に綺麗な色のジュースが差し出される。

なんだこの色…絵の具でも突っ込んだ？

「え、こ、これは？」
相田「Aちゃん可愛いから」
「え、い、いいんですか？」
相田「いいのいいの！サービス♡」

こんなにしてもらっていいんだろうか…。

＿＿＿
今日は私の誕生日なのです

2話更新です！