いや、私女子なんだけど。［２］ (ページ14)

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６１話ページ14

岩本「ぐあぁぁあ！また負けたー！」
「今のは無理だわ…いや、今のもか…」
青柳「このゲーム始めて2時間経ったけど俺らが見つけたの右手の人差し指と左手の親指、小指だけだからね」

マジで？2時間でそんだけしか集められてないの？
ヤバくね？

っていうかそんなに分かれてるとか…探す量多くね？

スマホで調べて見たところ、このゲームをクリアする最速時間は約2日。しかもぶっ通しでやって初めてその時間を出せるのだ。

いや、アホか。

「もう今日は寝ない？ほら、セーブセーブ」
岩本「もうヤベェよこれ…あ、今度そう言えば長期休暇があるっけ…」
青柳「あぁ、その日、俺らんとこも休みだよ」
「確か、お祭りでこの地域の学校はその一週間全部休みだよ」

じゃあさ、と初が切り出す。

岩本「誰かの家集まってこれクリアさせようぜ」
「…え」

まさかの、全員ご対面…なんてことないよね？

困るの私だもんね？
作者はそこまで私に優しくないことないよね？

岩本「大丈夫！知り合いだけだから！」
「大丈夫じゃないじゃん！！馬鹿！？」
岩本「いいじゃん！！平成最後でしょ！！」
「関係ないじゃん！しかもそれやめて！心臓キュッてなるの！」

最後とか言わないでよ！！なんかすごい悲しいから！
みんな楽しみなの！？平成終わって欲しいの！？ねぇ！

もう寝るぞ、とゲームをセーブする青柳くん。

お風呂はみんな入ったので良いが、なんで3人で寝る必要があるかな？暑いなー。

「あっついなー」
青柳「わかる」
岩本「あっちー…」
「じゃあ離れよっか」
岩本「やだ」
「は？」

盾と矛をひさぐものあり、って知ってる？

そう、中国の昔の書物ね。
『矛盾』って題名なんだけど。

今それだよ？矛盾だよ？

それでも疲れたのですぐに寝られた。

私のこの無神経さを敬って欲しいものだ。うん。

「……朝も暑いな…」

まとわりつく二人の腕をどかしてソファから出る。

うん、良い朝だ。暑いけど。

「……弁当は、作った。洗濯物でも干すかな」

そう独り言をブツブツ呟きながら洗濯機から洗濯物を取り出して干す。

青柳「……おはよ」
「あら、おはよう、青柳くん」

ガラッと窓を開けて庭を覗いた青柳くんは、縁側に出てコーヒーを飲んでいる。

今更だけど私の家めちゃくちゃマスターしてんじゃん。

「あ、青柳くん、ごめん、初起こしてくんない？」
青柳「……あいつ起こすのめんどい」
「お願い」
青柳「…仕方ないな…」

めんどくさそう…。