いや、私女子なんだけど。

４０話※ ページ43

真本「怖いなら怖いって言えよ…」
「言ったところでお化け屋敷が中止になると思わないし」
真本「まぁそれはないよな」
「ほらぁ！」


やっぱりならないんじゃん！

ブツブツ文句を言う私を見てふっと吹き出す真本。
人の顔見て笑うとか失礼だなコイツ。


真本「お前ってホント面白いやつだなー」
「なんだと？」
真本「ほら、怖いんだろ？捕まっとけよ」


ん、と一回り以上大きい手を出される。

少し迷った後そっと手を乗せると、嬉しそうに微笑んだ。
その顔は反則でしょ。


じゃあ進むか〜、と腕を引く。

今は少しありがたいかもしれない。だって一人だと足が進まないしねっ。


「ひっ…！」
真本「ちょ、ビビりすぎ…」
「だ、だって……」


怖いもんは怖いじゃん。

ギュッと真本の腕を抱きしめると、ちょっ……と珍しく焦った様子の真本。


真本「む、胸、当たってる…！」
「良いじゃん！むしろありがたいと思ってよね！」
真本「気にしろよ！お前本当に女子か！？」


女子ですけどなにか〜？

真本への殺意で怖さを紛らわせることができた。
真本よ、褒めてつかわす。


真本「そろそろ終盤だぞ」
「はぁ〜…やっとかぁ……」


本気で死ぬかと思ったぞ。

いや、割とマジで。



ホッと胸を撫で下ろすと、ピタッと足を止める真本。


「…？」


不思議に思って振り返ると、グッと腕を引かれる。

え、待ってなんで暗闇に引きずり込もうとするわけ？
マジで殴るよ？



「ちょ、真本…！」


怖いよ、本当にさ。
離そ？手を離そ？


「真…」
真本「A」
「何」


用があるなら早く済ませろください。

イライラが募り始める。


怖いんだってば！出口すぐそこじゃん！



振り返って文句を言おうと口を開くと、頬に柔らかい感覚。


……はえ？



「…！！？？？！？？」
真本「これ、お礼で良いよ」
「っ……！ばっ…馬鹿あぁああぁあ！！！！」


もう、しばらく出れないよ！

顔、赤いのバレちゃうじゃん……。



本日２回目の本気の照れ。


あぁ、なんでこう、残念イケメン(笑)ばかりなんだろうか。



文句を言ってやろうと真本を追いかける。


「真も…」


そこで言葉が出なくなる。


……え…？



「……ばっかじゃないの…」



そう小さく呟いた言葉は、誰に聞かれるでもなく私の中に留まる。



クッソ、なんでこんなに振り回されなきゃいけないの。





なんで、あんたまで、顔真っ赤なのよ……。



＿＿＿

コメントで〇〇推し！って教えてくれると嬉しいです！
もしかしたら絡みが増えるかも……？

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