33話※ ページ36
「あ、あんた、なんでっ…」
岩本「なんではこっちのセリフ〜。なんで連絡してこねぇんだよ、バーカ」
「馬鹿!?」
何それムカつくんですけど!
あんたに馬鹿にされるとはねぇ。
「…にしても、どうしているの?鍵は?」
岩本「おばさんに借りた」
そう言って鍵を嬉しそうに顔の前に持ってくる初。
うん、そっか、お母さんか。(昇天)
「……何も漁ってないでしょうね」
岩本「まだね」
「できればこれからもしないでほしいかな。っていうかすんな」
可愛い下着買った?と平然と言うこの幼馴染を私はどうしてやればいいんだろう。
殺す?
岩本「ところでさ、真本ってやつがいるんだけど」
「真本……?」
岩本「そ。そいつの幼馴染がAの行ってる学校にいるらしいんだよねー。美原と界ってやつ。知ってる?」
知ってるも何も同じクラスですけど。
これ正直に答える?知らないって言っとく?
「…まぁ、同じクラスだけど?って言うか真本知ってたんだ」
岩本「あれ?知り合い?」
「つい最近、流れでね」
へぇー、と言いつつ卵をかき混ぜる初。
料理の腕は文句なしなので、初が家に来た時はいつも料理を作らせている。
じゃないとほら、私ばっかりしんどいじゃん?それは嫌じゃん?
岩本「はいできた」
「おー、美味しそ」
岩本「俺と一緒に召し上がれ♡」
「お前だけ吐き捨てて残りは食べるね」
岩本「ひっでぇの」
なんだよ、とかちみっちゃい言い合いをしながら料理を口に運ぶと、高級感のある味が口の中で広がった。
やっぱ料理上手いなぁ…。
「あんたさ、料理上手いよね…将来コックさんにでもなりたいの?」
岩本「ん〜ん。料理は趣味でいいかな」
「えぇ〜、勿体無い。こんだけ高級感のある味作れるのに」
岩本「…俺は、今も、これからもずっとお前だけに料理振る舞いたいんだけど」
「え、なに?」
岩本「別にー?ま、Aは平凡な味の料理しか作れないしな〜。まぁ美味しいし、いいんじゃない?俺好きだよ、庶民的な味」
「バカにしてる?」
初をジッと見つめると、私から目をそらす。
ねぇ、聞いてる?
ピロンッ
「……?あぁ、稜くんか…」
岩本「リョウ……?」
「界。界稜。あんたのお友達の幼馴染よ」
おわかり?と言いつつスマホの画面を見る。
するとそこには、“二週間後締め切りの遊園地のチケットを4枚貰うたんじゃが、真ちゃんとみっちゃん、あとわしで、あと一人余るんじゃが一緒に行かんか?”との文字。
君いい子すぎるよ。
325人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - miyuiさん» ありがとうございます☺️嬉しいです!が、睡眠はしっかりとってくださいねw (2021年12月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
miyui - 夜中、腐女子が(関係無い)布団の中で隠れながらこの小説を読む…あっ、午前2時だ明日学校どうしよう…宿題やってない…終わったああああ(つまり時間忘れるほど面白いってことです) (2021年12月6日 23時) (レス) @page20 id: 5e526ca5d2 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ひぃ……ありがとうございます!!嬉しいですー!!これからも頑張ります! (2020年9月14日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - おにぎりさん» 良いですね、彼氏いらっしゃるんですね……私の元カレは美原って名前でした (2020年9月14日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - 私の彼氏も岩本です。運命ですね (2020年9月14日 4時) (レス) id: 6f3eaef604 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ