いや、私女子なんだけど。

３話 ページ5

テレビの画面をボーッと見ていると、隣に座ったのは美原。

何よ、と言えば、暇そうだな、の一言。
それだけ？


「暇…と言えば暇かな？」
美原「そんなAに朗報だ。１２時だぞ」
「…そうね。何が言いたい」


グーキュルルル…と真面目な顔をした美原の腹が鳴る。


「…何があるの」
美原「俺やりぃ！オムライス作って！！」
「好きだな……」


私覚えてるからね。
新学期早々、お弁当の中身がオムライスだったこと。多分一生忘れない。


男子校でそんな物見れると思ってなかったよ、私。


美原「そういやさ、なんで男子校に転入してきたんだ？」
「……あれ？言わなかったっけ」
佐田「知ってたか？コイツは朝のHRの時、大口開けて寝てるんだぞ」
「そう言えば寝てたわね」


だって眠ぃし、と言う美原。
夜すぐに寝ればいいのでは。


それを言うと、じゃあさ、と妖しい笑みを浮かべる。


美原「Aが一緒に寝ろよ。そしたら俺、すぐ眠れるかも」
「それ以外のこともされそうだから却下」


お前だけずりぃぞ、と佐田が爆弾発言をする。

いや、誰とも寝ないよ？
なんで私があんたらのお守りしなきゃなんないの。


オムライスができたので、お皿に盛り付けると、匂いがしたのか寄ってくる男共。


「はい完成」
美原「おーっ！やっべぇ！Aの手料理だー！」
野口「ケチャップライスが美味しいな。凄く丁度いい対比」
佐田「単純に美味い」


そりゃどうも、と言いながら使った物をどんどん洗って行く。

手を拭くと、完食していた三人。
結構量作ったんだけどなぁ…。


美原「俺がAの作ってやるよ！」
「え、やめて」


せめて野口がいいんだけど。
美原の作ったものなんてどんなものでもダークマターに決まってる。


私の独断と偏見で、私のご飯は野口が作ることになった。


見かけ通り、料理が上手い野口は、家庭科部の男子にこの前作ったマフィンを貰っていた。
捨てていたが。


野口の言い分によると、なんで俺が男の作った汗臭いマフィンを食べなきゃいけないの？と言うことだ。
とてもとても偏見だとは思う。



野口「はい、A。俺の汗と涙の結晶」
「うわ気持ち悪。食べたくないんだけど」
野口「大丈夫。味は保証されてる」


恐る恐る食べると、やはり美味しい。
流石、お父さんが有名な料理家なだけある。


そしてそれを食べ終わると、ニコニコと目の前で笑っている野口。
目が感想は？と言っている。


「……美味しかった」
野口「それは良かった」

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