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「そう言えばね、Aちゃん」
「はい?」
ある平日。松代さんと一緒に皿洗いに勤しんでいると、ふと思い出したように松代さんが話しかけてきた。
色々悩んじゃってたから、人と話す時間ができたらいいかも知れない。
なんですか、と返して水を止める。9人分のお皿だから、結構重労働。
松代さんはすごいなぁ…松造さんのお弁当と、六つ子のお弁当を毎日作って、それから朝ごはんの用意までしてるんだから。尊敬しなきゃ。
「そろそろあの子達、卒業じゃない?だから私たちも羽を伸ばそうと思って…」
海外旅行に行くことにしたの!
そう言って笑う松代さんの声がこだまする。
海外旅行…?
「えっ!?ど、どこ行くんですか!?」
「まだ詳しいことは決まってないんだけど、グアムかハワイあたりじゃないかしら」
「そ、そ…それは、楽しんできてください…」
それでね、と話を続ける松代さんのお皿捌きは見事なもので、手捌きに惚れてしまう。
って、そうじゃなくて、海外旅行!?
「Aちゃんには悪いんだけど、その間あの子達の子守をお願いしたいの」
「勿論喜んでやらせていただきます」
まぁ普段お世話してもらってる感じだけど…いや、夜眠れなくて。
「まぁみんな卒業ですし…私がちょっとしたところに連れて行って、高校お疲れ様会を開いても良いですよね」
「あら良いわね〜!車貸すわ!Aちゃん免許持ってるみたいだし」
そうなのだ。
財布を持っていた私は、何故かその中にある免許証を見つけていた。
7人乗る車だから結構大型だけど、まぁいけるっしょ。
社畜の底力見せてあげるわ。営業回り一日100件とか言われたんだからな。
「昔家庭教師と両立で、普通の会社にも就職してたんですよね。その時車たくさん乗らされたので、きっと大丈夫です!」
「あら、頼もしいわ。それじゃあお願いね」
「はい!!」
……と、話をしていたのがつい一週間前。
驚いたことに行動が早く、今日出発するようだ。
早いですね…と言うと、善は急げって言うじゃない?と笑っていた。まぁ、言いますけどね。
「それじゃあ貴方達。Aちゃんの言うことには絶対に従うのよ!」
「フッ、心配するなマミー。俺がAを守るぜ…そう、ナイトのように!」
「カラ松、そこの発音はknightね。行ってらっしゃ〜い」
ヒラヒラ手を振ると、車はすぐに角を曲がって見えなくなった。
「…カラ松、どこ行きたい?日帰りだったら私が車で連れてってあげるけど…あ、勿論6人全員楽しめるところで」
「ディスティニーを共にできる場所…だな」
「?」
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松々先輩(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます!!これからお話は急展開…できればいいな、と思います!頑張ります!! (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
月花 - すっっごい面白いです!頑張ってください! (2020年10月4日 23時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - Rain☆さん» ありがとうございます!!了解です!頑張りますね! (2020年5月14日 22時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 一松!!もう本当に尊いです!一番の推しです!更新頑張ってください! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
なー。(プロフ) - ですねー、おそ松さんも3期期待です! (2019年12月11日 18時) (レス) id: 13b122a5bb (このIDを非表示/違反報告)
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