一松ｇｉｒｌってトリップできたっけ？【一松】

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〜 The first symptom of true love in man is timidity,
in a girl it is boldness. 〜

Victor Hugo


「真の恋の兆候は、男においては臆病さに、女は大胆さにある。」




───────なんて、ね。

学生の頃に英語の先生が教えてくれた詩を思い出す。
あの頃の私にはとても綺麗に聞こえて、今でも眩しいくらいには煌めいて見えるけど。

私には、似合わないな。


この恋が、ニセモノだって言うならそれでいい。だって逃げ場ができるでしょ？
この恋心は嘘だった、最初から好きじゃなかった。

私は、恋に恋していただけなんだって。

言えたら、どれほど良かったか。


臆病な私は、この恋を認めることすらできないでいる。

大胆だなんて、なれるなら…と望んではみるけど、この状況は変わらない。
好きなら突き進め？それで成功したことがある人なら、簡単だろうけど。

冗談キツイよ、私にとっては。


でも変な質問しても良いかな？

私のこと、忘れられる？


元の世界に帰ったら、私のことは忘れて欲しいの。

もし、私が元の世界に帰っても…忘れないって言ってくれない？
言いたい。喉のそこまで競り上がってきてる。でもね、言っちゃダメってしっかりわかってるよ。

言っちゃったら、絶対に戻れない。一松のこと、忘れたいけどきっと忘れられないから。

じゃあせめて、貴方が私を忘れて欲しい。


忘れてくれたら、きっと私は傷つくね。

時が傷を癒してくれるって言うけど、貴方が恋しいって思った時間が増えるだけだよ。
何でわかるかって…うん、何でだろう。でも、確信できるんだ。


でも愛さないで傷つくよりは、愛して傷ついた方が私は良いな。

ね、あなたはどうだった？


私のこと、どう思っててくれた？
あぁ、なんでも良いよ。できれば“知り合い”程度で。

だってその方が忘れやすいじゃない。

時が私をかき消してくれる。


あれ、おかしいな。どうしてだろう。
何でこんなに苦しいの。


私を忘れて、次会っても「はじめまして」なんて言ってくれたら、私嬉しいと思ったんだけど。
ちょっとだけ。ちょっとだけよ？

ちょっとだけ、苦しいみたい。


愛とか恋とかってやっぱり面倒だね。知らなきゃ良かった、こんな気持ち。
一回ハマっちゃったら、もう二度と戻れないじゃない？

それが心地いいから、抜け出せないの。

貴方が笑っただけで、私に話しかけただけで、それだけで嬉しいと思ってしまう。

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