〃 ページ33
「呪いが弱まれば私の結界で外せますね」
「そ、だから大人しくしててくんない？」
「はい、わかりました」
Aいつもはしゃいでるから、と言って笑った幸ちゃんは指輪をジッと見つめる。
“何か”を見ているのは変わりないが、私とは別の何かを見ているだろう。
私は女を見ているが、幸ちゃんはまた他の何かが見える。
例えば、モノの記憶とか。
「A…これ、骨董品屋に売ってたのか？」
「それはわかりません。お兄ちゃんが預かってきたものですから」
「元の持ち主は殺されてるな…」
あっちゃー、やっぱりそうか。
殺された人の怨念は通常よりも強くなるのだ。そしてそれは呪いへと変わる。
そして、その呪いを外すにはそれ相応の力が必要だ。
「…もしかしたら、お前、死ぬかもよ」
「それは嫌ですねぇ」
「俺もヤダわ」
「だ、だったら早く外さなきゃ！」
チョロ松が私たちの間に挟んで声を上げた。
そう、早く外さなきゃいけない。でも指輪は外そうと思っても外れない。
「俺も殺人の被害者と話すのは初めてだけど、まぁやってみる。ってことで、俺の家来ない？」
「そうやってまた変なことする気ですねー？もうその手には引っかかりませんから！」
「…“また”？」
ぴく、と十四松の肩が揺れる。
この前幸ちゃんの家に行った時、何故か一緒にベッドで寝ることになったのだ。
おかしな話だと思う。
しかしそれ以上のことはなかったし、別に私は嫌じゃないし。
そうだけど、なに？と基本親戚以外には厳しい反応を示す幸ちゃんは十四松を睨む。
け、喧嘩始まる？
「仲良くですよ〜…」
「じゅ、十四松落ち着け！な？この人じゃないとAの指輪の呪いは解けないんだからな？」
「…うん」
…あらあら、十四松が静かになってしまった。天変地異の前触れだろうか。
幸ちゃんは私の指輪に触れながら、ブツブツと会話している。暫くすると黙ったけど。
きっと今は、この指輪の記憶を見ているんだろう。
目を開けた幸ちゃんは指輪を摩りながら私に指輪の記憶を語り出した。
「この指輪の持ち主、やっぱ殺されたらしい…恋人が浮気していることを責めたら、そこでグサッと…可哀想だよ、恨むのも無理はない」
「そうですか…」
「ありがとうございます、これでこの指輪を外せます」
では、と依頼料を渡そうとすると、その手をそっと抑えられた。
ん？何、私如きのお小遣いじゃ足りないとか…？
「Aの依頼なんだから、金はいらないよ」
「！守銭奴の幸ちゃんが…ありがとうございます、今度お礼しますね」
良いところもあるんだな。
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松々先輩(プロフ) - 松野美海さん» 自我失礼します……私の推しはもっぱら一松です……あの卑屈感がたまらないです最高です (2022年9月30日 0時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
松野美海 - 凄く面白いです！最初から読んでたら時間が…！つい夢中になってました！更新頑張って下さい！待ってます！ちなみに松々先輩さんはなに松推しなんですか？私はチョロ兄です☆((( (2022年9月30日 0時) (レス) @page28 id: b94de068e4 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - kuuさん» 一「ほんとに、ムカつくよね……一定数いるよ、あーゆうクズ…あ、僕もそれなりにクズだけど。フヒヒ……応援ありがと、励みにしてこれからも頑張るね…」 (2022年1月27日 3時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 子犬の話し本気で泣きました！なんかすごく話しなんですけど腹たちました！こんクソ野郎！すごく怪奇百鬼夜行の話大好きです^ - ^応援してます (2022年1月26日 8時) (レス) @page23 id: 1c1723a482 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 月花さん» チ「あぁ、そうだね、ありがとう。もう4作目になるんだね。これからもよろしくね」夢「えっ、それで終わりですか？もっとあるでしょう！！えーっと、この作品を読んでくれてありがとうございます！是非次回のお話も楽しみにしてください！ありがとうございました」 (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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